旧装備救済回!? 「仮面ライダーゴースト」第38話「復活! 英雄の魂!」

 九条小夜子(以下九) 今回は「仮面ライダーゴースト」の話をしまーす。
 豊橋ミケ(以下猫) こんな時期に珍しいにゃ。最初の数話は取り上げるけど2クールに入ったらすっかり取り上げにゃいのが常にゃのに。
  そういや「仮面ライダードライブ」なんか一回も取り上げなかったねー。
  第1話はやろうと思ったんだけどにゃあ。
  仮面ライダーに限らず特撮ヒーローものってパワーアップしたらその前のヴァージョンは実質お役御免になっちゃうじゃない。
  「アギト」の頃は必要が無ければシャイニングフォームににゃらにゃかったにゃ。
  バンダイの意向なんだろうね。一度登場したら格下の相手にもパワーアップしたフォームで戦うようになった。
  まあ戦力の逐次投入はよくないっていうからにゃ。
  特撮ヒーローと実際の戦争は違うと思うけど……。
 今回の「ゴースト」は特撮ヒーロー業界のそんな傾向に一石を投じるお話だったのよ。
 仙人から「ムゲン魂だけが頼みの綱」と言われ、まるで英雄達の魂はもう役立たずと言われたかのように感じたタケルは反発する。
 鬼が暴れていると聞いて向かった一向の前にいたのは連敗続きで自信をなくし、ヤケになって暴れるジャベルだった。
  一行っていったけどマコトは自分の分身の相手で手一杯、アランは筋肉痛がひどくて動けにゃいにゃ。
  劇中でも触れられているけどアランが筋肉痛になったのは前回の修行のせい。平成仮面ライダー以外でも激しい特訓はやるけどそれで筋肉痛になったのはアランが初めて。
  皆何事もにゃかったかのように過ごしているもんにゃ。
  眼魔世界の人間が肉体を持たない人が多いから、肉体を持つ意味を描く「ゴースト」ならではの描写かもね。
  単純にアランやマコトがいると英雄眼魂の存在意義ができちゃうから一時的に退場願っただけだにゃ。
  そういう事いわない。
 一行の前にガンマイザー出現を示す魔方陣が現れる。ジャベルを御成に任せ、ガンマイザーの所に向かうタケルの前にガンマイザーと融合したアデルが現れた。
  融合態が出る前に英雄達の魂はガンマイザーに完敗したにゃ。
  皮肉にも英雄眼魂もまだやれると示そうとした結果、仙人の言葉の正しさを証明してしまった。
 ここで気になるのはアデルがガンマイザーと融合するのを見たイーディス長官の「お前の思い通りにはさせん」という言葉。これってアデルに対して言ったものなのかな?
  他に誰がいるにゃ。
  融合はアデルじゃなくガンマイザーが言い出した事なんだよ。そもそもアデルは融合できる事すら知らなかった。
  アデルはガンマイザーの口車に乗せられていると?
  そう。その方がアランとの和解もやりやすいじゃない?
 アデルとガンマイザーの融合態だけど、まず花のつぼみを思わせる巨大な頭部を持った姿で現れ、開花したかのような姿になるところ、「鎧武」を思わせるね。
  何でここだけオマージュ?
  まだまだ戦えるといいたいのはタケルだけじゃなかった。アデル自ら戦う姿を見たジャイロは言葉通り用済みになるのではと不安になり、アデルにムゲン魂と戦わせて欲しいと申し出る。
  ガンマイザーと融合したアデルに全く歯が立たにゃかった英雄達はタケルの成長に貢献できたことをよしとして身を引こうとするにゃ。
  だからジャイロとの戦いの時、すぐには現れなかった。でも英雄達にもまだできる事があると信じるタケルの意をくんで共闘し、ジャイロを退けた。
 正直、融合態に敵わない事には変わりないんだからこの終わり方では不充分だと思うんだよね。倒すまではいかなくても知恵を絞って融合態に傷を負わせるって風にした方が説得力は増したと思う。
 今回、より強い力の登場で立場が危うくなったものを対比させているんだよね。それだけじゃなく、存在意義を失うって事を英雄眼魂、ジャベル、ジャイロの三者を通して描いている。英雄眼魂はタケルとの絆によって存在意義を取り戻し、ジャベルは強さだけが存在意義じゃないって事を御成に教えられ、新しい存在意義を自分で探し始める。
 凄く構成が上手いと思う。
  これでジャベルの物語には区切りがついちゃったにゃ。今後出てくるのかにゃ?
  さあ、どうだろう。最終回で新しい目的を見出してそれに打ち込む姿が出てきそうだけど……。
 ジャベル同様強さを存在意義にしていたジャイロがこれからどうなるかはまだわからない。
  強さだったら完全に否定されたにゃ。
  ムゲン魂の前段階であるグレイトフル魂に完敗してたもんね。でもアランとの関係もあるし、今回で退場ってことはないでしょ。案外、台風の目になるかもよ。
 先にもいったけど、パワーアップした後はその前のヴァージョンってないがしろにされがちだよね。状況を考えればやむを得ない面はあるけど、それって寂しい事でもあるよね。
  「ゴースト」の眼魂みたいに人格がある場合はなおさらだにゃ。
  この点に触れないこともやろうと思えばできた。でもあえてパワーアップ後の前ヴァージョンに存在意義はあるかを問うた「ゴースト」のスタッフは偉いと思う。
  今回の監督は前回、前々回に引き続いて坂本浩一だったにゃ。
  それがどうしたの?
  坂本監督は「X」でパワーアップ後は出番がにゃくにゃるのはどうかって理由でエクシードXにスパークドールズ化能力を持たせにゃかったんだよにゃ。
  そうそう、そうだった。ミケは今回の「ゴースト」は坂本監督の発案じゃないかっていいたいの?
  証拠は無いけど偶然かにゃ?

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いい農家がいい料理人とは限らない 小説「ウルトラマンデュアル」

 豊橋ミケ(以下猫) え~、またウルトラマン
 九条小夜子(以下九) そういわないの。それにウルトラマンといっても新しく始まる「ウルトラマンオーブ」の話じゃないよ。
  えっ、違うの?
  ミケ、去年早川書房と円谷プロのコラボレーションの話をしたよね?
  ああ、小夜ちゃんがケチつけてたヤツだにゃ。
  愛の鞭だよっ!
 去年の夏に「SFマガジン」での連載をまとめた「多々良島ふたたび ウルトラ怪獣アンソロジー」に続き今年1月に「ウルトラマンデュアル」が発売された。
  ずいぶん間が開いてるにゃ。
  ……いろいろあってね。最近になってようやく読み終えたのよ……。
  設定は面白そうだにゃ。
  そうなのよ、設定はいいの! 宇宙警備隊と宇宙人連合ギャラフィアンの戦いに巻き込まれた地球。
  宇宙警備隊って?
  (目を丸くして)ミケ、知らないの?
  (小夜子の耳元で)平成シリーズからのファンには知らにゃい人もいるにゃ。そういう人への配慮だにゃ。察するにゃ!
  あっ、そういう事ね。
 宇宙警備隊っていうのは昭和ウルトラシリーズの基本設定で、一言でいえば宇宙の平和を守るための組織なの。作中ではM78星雲人、つまりウルトラマンの同族達しか出てこない。
  他にもいるんだろうけどにゃ。
  厳密にいえばレオとアストラはM78星雲人じゃないしね。
  セブンのカプセル怪獣はどうにゃるのかにゃ? セブンの部下にゃの? それとも装備?
  うーん、命令を理解しているから犬並の知性はあるはずだけど、あいつらに事務仕事は無理だろうなー。警察犬みたいな存在だろうから……装備ってことになるだろうな~。
 話を戻すね。宇宙での両者の戦いは共倒れという形になり、それぞれの生き残りが地球にやって来た。宇宙警備隊の生き残りはウルトラの聖女ティアとピグモンのピグGに二人が乗ってきた宇宙船だけ。対するギャラフィアンは構成種族の一つヴェンダリスタ星人のキップ、ラト、メイスの三人に彼らが宇宙警備隊から奪った怪獣のみ。だが、狡猾なヴェンダリスタ星人は地球人との交渉で援軍の存在をちらつかせ、地球人に服従を強いる。
 そうした事情をくんだティアは宇宙船が墜落した東京近郊の一部を占領、光の国の飛び地にするという形で拠点にした。
 政治的配慮から地球人は飛び地での出来事に一切関与しない。
  ヴェンダリスタ星人に協力した後にウルトラマンの援軍が来たら大変だもんにゃ。
  その逆もありうる。だからティアに協力するために飛び地に渡る人達は国籍を捨て、日本との縁を切らなければならない。
  面白そうにゃ設定だにゃ。
  でしょ? 他にも分裂させた精神を人間にとり憑かせて操るヴェンダリスタ星人など設定だけはいいの。
  だけ?
  そう。いいのは設定だけなの。発想はすばらしいけど、それを見せるストーリーテリングはお世辞にもいいとはいえない。
 例えばね、ティアも精神を分割し、その一方を地球人の少女に憑依させてるの。で、その事に気づいたヴェンダリスタ星人の魔手が少女に迫る。
  わ、大変だにゃ。
  そう思うでしょ? ところが偶然その場に居合わせたウルトラマン、あ、この「ウルトラマンデュアル」でのウルトラマンはM78星雲人ではなく、ティアからウルトラマンの力を与えられた地球人なの。個体差が大きくて誰もがウルトラマンになれるわけじゃないんだ。ヴェンダリスタ星人が憑依した地球人に少女が捕まった時、ショルト・ミストって光線を浴びせてヴェンダリスタ星人を地球人の身体から追い払う。さすがウルトラマンっていいたいところだけど、これ、1ページにも満たないの。
  え?
  あまりにもあっさりだよね。他にもクライマックスでヴェンダリスタ星人はティアに憑りつく。ウルトラの聖女は否応なく相手の生命を奪える超能力を持っていて、それでウルトラマン達を苦しめる。
  絶体絶命のピンチだにゃ。
  そう思うでしょ? ところがすぐにティアと少女の抵抗を受けて形勢逆転。これ、2ページもない。
  え……?
  地球人の声援を受けて……って描写はあるんだけど、それが実にあっさりしたものなのよ。同様のシチュエーションなら過去の映像作品にもあったけど、そういう場合、ウルトラマンの危機を描いた後、声援を送る個々の人々の姿を描いてから逆転に入るじゃない。でも「ウルトラマンデュアル」の場合、声援があったって事しか書いてない。どういう人がどんな声援を送ったのかは全く描かれていない。それを描写するのって結構大切なんだなって逆説的にわかったよ。
 とまあこんな具合に危機に陥っても数行後には解決しちゃってるのよ。よく手に汗握るっていうけどその暇もない。シチュエーション自体はいくらでも膨らませて面白くできるものなんだから本当にもったいない。
  ヴェンダリスタ星人星人の手に落ちたティアか少女の救出作戦とか見てみたかったにゃあ。
  でしょ? 面白くできそうな設定なのに活かせてないのよ。
 怪獣に魅力が無いのも辛い。ストーリーの都合上仕方ないことだけど、兵器として扱われていて個性が無いんだ。
 明らかに作者は怪獣よりもヴェンダリスタ星人や地球人の政治的動向の方に力を入れている。
  それってウルトラマンファンが読みたいものかにゃ?
  だよね。「ウルトラマンX」が人気を博した理由の一つは怪獣を魅力的に描いた事だもん。政治的な話を書くなとはいわないけど、ウルトラシリーズならそれは味付け程度に抑えた方がいい。
  小説とウルトラマンって相性が悪いのかにゃ。
  映像でしか表現できないものがあり、ウルトラシリーズの魅力がそこに負う部分が大きいのは間違いない。でもウルトラシリーズ小説化が不可能だとは思わない。
 発想の飛躍では負けるけど朱川湊人が「ウルトラマンメビウス」に提供した脚本を小説化した「ウルトラマンメビウス アンデレスホリゾント」の方が「ウルトラシリーズ」の面白さをちゃんと理解していて、小説としてもずっと面白い。
 くり返すけどアイデアはとてもいい。でもそれを活かす描写がなかった。
  残念だにゃ。


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数分で帰ってきたウルトラマン 「劇場版ウルトラマンX きたぞ! われらのウルトラマン」(ネタバレ有り)

 九条小夜子(以下九) 「劇場版ウルトラマンX きたぞ! われらのウルトラマン」を観てきました~。
 豊橋ミケ(以下猫) 今回の敵は閻魔獣ザイゴーグだにゃ。やっぱりTVシリーズのラスボスのグリーザには及ばにゃかったにゃ。
  比べちゃ酷だよ。「まさに平成のゼットン! 『ウルトラマンX』第21、22話」でもいったけどグリーザの突出した個性は近年稀に見るどころか昭和のレジェンド怪獣と肩を並べるレベルだもん。超えるのは容易じゃないよ。だからウチはそんなに期待してなかった。
  ザイゴーグが気の毒ににゃってきたにゃ。
 TVシリーズ終了から三か月も経ってるんでいろいろ忘れてる事もあるだろうと思って何本か観直してから行ったんだよにゃ。
  そしたら冒頭でウチらが観た回を全部ダイジェストで流してやんの。
  無理して観ることにゃかったにゃあ。
  まー、子供にせがまれて劇場に来た親御さんがTVシリーズを観てるとは限らないからね。こうした解説は必要だと思うっていいたいけど、「きたぞ! われらのウルトラマン」の場合はなくてもよかった。
  だってTVシリーズと全然関係にゃいお話にゃんだもんにゃあ。
  最終回でエクスラッガーは大地の両親の研究所のあった場所で見つかった古代の遺物って明かされたし、劇場版では考古学者や古代遺跡が登場するんでてっきり映画の伏線だと思ったんだよね。
  全然関係にゃかったにゃ。
  冒頭のおさらいでもスルーされていたね。結局、エクスラッガーの出自も大地の両親の消息も謎のまま。
  伏線投げっぱなしだにゃ。
  第21話冒頭の会話は何だったんだよ~。

  謎はさておき、今回の映画、小夜ちゃんはどうだったかにゃ?
  謎に一切触れてない事を差し引いても落第点だったね。
  ありゃ。
  ザイゴーグ撃退にあたるXioと碧玉をめぐる民間人のドラマに温度差がありすぎる、ううん、はっきりいって乖離してるんだよ。
 全ての発端はカルロス黒崎が自分のweb番組の目玉にしようと芭羅慈遺跡から碧玉を持ち出した事。なのに彼は反省どころか怪獣の被害なんて屁とも思ってない。
  そのせいでXは一時変身不能ににゃったのににゃ。
  Xだけの話じゃないよ。ザイゴーグは街中で盛大に爆発を起こしていた。避難が済んだ後ってわけじゃなかったから相当数の死者が出ているはずだよ。何よりザイゴーグから碧玉を守り切れなければ地球が灼熱地獄に変わってしまう。人類滅亡の危機なんだ。
 誤解してほしくないんだけど、ウチは怪獣映画に私利私欲を優先し、他人を顧みない人間を出すなっていってるんじゃない。
 例えば「モスラ対ゴジラ」の虎畑二郎とハッピー興業は金儲けのために小美人にモスラの卵を返さなかった。その結果、ゴジラから卵を守るために母モスラは闘い、命を落とした。
  徹底的に悪人として描かれてたにゃ。
  だから「モスラ対ゴジラ」は駄作かというと決してそんなことはない。じゃあ「きたぞ! われらのウルトラマン」はどうか。
 考古学者の玉城ツカサはザイゴーグ出現のどさくさに紛れてカルロス黒崎から碧玉を取り返す。ところがビルがザイゴーグに襲われ、倒れた鉄柱に挟まれてしまった。折悪しくそこに彼女を追ってカルロス黒崎が来る。動けない彼女をどうするか? 何と彼は玉城ツカサを助けようとするのよ。
 ミケ、どう思う?
  こいつ何考えてるんだにゃ。
  うちは悪人に人助けをやらせるなっていってるんじゃない。でもここは碧玉を奪って逃げるところでしょ。
  極度の目立ちたがり屋でそのためには何でもするけど根は善人ってことじゃにゃいかにゃ?
  そういうキャラだって事に問題は無いの。問題はそんなキャラが似合う物語かって事。だってカルロス黒崎が目立ちたい一心で碧玉を持ち出したその代償がザイゴーグによる大破壊だよ。どう見ても釣り合わないでしょ。
 Xioは総力をあげてザイゴーグ迎撃に臨む。
  サイバーカードをばんばん使ってたにゃ。
  そう。それでもザイゴーグを止められず、隊員達は追い詰められていく。それと同時進行で碧玉をめぐって緊張感の無いゆるいドラマが展開されている。スタッフは箸休めのつもりかもしれないけどウチは元凶のくせにいい気なもんだな! って思っちゃったよ。
 ウチはね、怪獣映画はすべからく深刻であるべきっていうつもりはないよ。「キングコング対ゴジラ」みたいな例もあるんだし。
  あれにゃんか宣伝のためにキングコングを日本に連れてきちゃったもんにゃあ。
  あれも死人が出てるはずだけど徹底して陽性な作風のおかげで深刻な事態には感じないでしょ。逆にさ、映画「クレヨンしんちゃん」の敵が一般市民を虐殺したらどうなる?
  しんちゃんのギャグが浮いちゃうにゃ。
  「きたぞ! われらのウルトラマン」が犯したのはまさにそういうミスだよ。
 「極度の目立ちたがり屋でそのためには何でもするけど根は善人」なキャラにゆるいドラマを演じさせたいのなら人類滅亡ではなく“人騒がせ”なレベルのお話にするべきだった。
 長期連載なら最初はゆるかったのに話が進むにつれシビアになっていくという事はよくある。でも単発の映画ならテンションを保つというか温度差は出さない方がいいよ。
 ドラマ面でいえばもう一ついいたい事がある。
  まだあるのかにゃ!
  子供の描き方がぞんざいなのよ。一個の人格ではなくティガ復活のための道具としてしか見てないから表面的で中身が無いの。
 今時あんな汚いワインのコルク抜きを古代の宇宙船の部品といって大事にする子供がいるか! あれじゃ夢見がちじゃなくてバカだよ。
  確かにあれは興醒めだったにゃ。
  99年の「ウルトラマンティガ&ウルトラマンダイナ&ウルトラマンガイア 超時空の大決戦」は子供の描き方がしっかりしていてジュブナイルSFとしても一級品だった。今後子供を出すならスタッフはそれを観て勉強するべき。
  けなしてばっかりだにゃ。

  民間人は噴飯ものだけど、怪獣はよかった。特にゴーグアントラーとティガスカイタイプ、Xioの空中戦は素晴らしい。
  アントラーって地中に潜んで獲物を待ち受けてるって印象が強いから意表を突かれたにゃ。
  それはウチも同じ。でもアントラーってアリジゴクではなくクワガタムシとカブトムシがデザインモチーフなんだよね。だから空を飛んでも違和感がないどころかむしろ今まで飛んでいない事が不思議なくらい自然だった。
ゴーグアントラーとゴーグファイヤーゴルザを倒されたザイゴーグが苦し紛れか背中のトゲを世界中に飛ばし、そのトゲがツルギデマーガに変わる。散らばったツルギデマーガを倒すためにTVシリーズで共闘した歴代ウルトラマンが駆けつける。
 正直、ストーリー上の意義は無く、ファンサービスの域を出ないけど、カイロの街中に立つネクサスやダラスのビルの窓に映るギンガは実にいい“絵”だった。
 田口清隆監督の画面作りの才能は凄いと思ったよ。
  TVシリーズの最終回みたいに攻防戦に絞った展開だったら評価も変わっていたかにゃ?
  可能性は大だと思うね。
 正直、褒められる内容じゃなかったけど、光るものはあった。これからも田口清隆監督には期待したいな。

  「X」もこれで終りにゃのかにゃ。
  かもしれないね。15年前のグリーザとの戦いで失った身体も元に戻っちゃったから大地とユナイトする必要なくなっちゃったし、円谷プロが7月7日に何か事を起こすって噂も聞いてるし。何よりファイナルユナイトって銘打ってる。
  それじゃあ第二期はないのかにゃ。
  ウチはやってほしいけどX帰っちゃったからね。
  でもすぐ戻ってきたにゃ。
  あれには驚いた。最短記録だよ。
  めでたいかにゃ。
  そんな記録作ってどうすんのよ。誰も破ろうとしないって。
 アニメの最終回でメインキャラが去ってしまったと思ったら間を置かずにひょっこり帰ってくるってのをよく見るけどまさかウルトラシリーズでもやるとは……。
 あれってウチ嫌いなんだよね。別れないなら去るような展開は不要だと思う。結局戻って来たって事はさ、その直前の別れのあれこれってなんだったの? ってなるじゃない。もし泣いたりしてたらバツが悪いよ。いつかまた会える事を信じてきれいにお別れを言わせてほしかったな。



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まさに平成のゼットン! 「ウルトラマンX」第21、22話

 九条小夜子(以下九) 今回のお話は先週終了した「ウルトラマンX」!

 
 

 豊橋ミケ(以下猫) また一週間経っちゃったにゃ。
  年末特番で番組が放送休止だから次回放送日じゃないよ!
  それでよしとしているところがもう駄目だにゃ……。
 まあ今さらどうこういってもしょうがにゃいにゃ。最終エピソードはラストバトルに絞った展開が潔くてよかったにゃ。
  その相手がウルトラフレアの元凶となった虚空怪獣グリーザ。予告で見た時はカラフルなミスターNOぐらいにしか思わなかったんだけど、本編での言葉にしにくい描写に度肝を抜かれた。
  言葉にしにくいって……。
  初登場時の演出や怪獣を取り込む時の描写はJホラー的だなって思ったんだよね。さらに笑い声みたいな声を出す他は一切言葉を発しない。これがよかった。描写の巧みさに加え、下手に主義主張や野心を語らないことで何を考えているかわからない不気味さが生まれていた。
  でも目的ははっきりしてるんだよにゃ。
  まあね。「X」の敵って純粋な悪、例えればナックル星人バンデロやグア軍団にしてもコミュニケーションは可能だった。でもグリーザは違う。機械のように目標に向かって前進するだけ。それでいてキングジョーみたいに無機質な感じではなく、どこか有機的な感じがするんだよね。
  しいて言えば昆虫?
  それも違うなぁ。グリーザグリーザだよ。つかみどころのない動作や例の笑い声がグリーザを唯一無二の存在にしている。
 目的ははっきりしているってミケはいったけどスペースビーストや昆虫のように本能で動いているって感じがしないんだよね。何故生命を消し去ろうとするのかは謎のままなんだ。意志を持った存在、いや生物や人工物というよりは“人知の及ばぬ宇宙の現象”みたいな感じなんだよね。
 こちらの意思が全く通じない相手。絆がテーマの「X」とは対極の存在で、まさにラスボスに相応しいキャラクターだった。
  取り込んだ怪獣の能力の使い方も対照的だったにゃ。
  Xがアーマーとして装着、つまり外なのに対しグリーザは吸収、つまり内だもんね。
 強烈なインパクトは歴代ラスボスの中でも随一。ウチは「ウルトラマン」で初めてヒーローを倒したゼットンに匹敵するんじゃないかって思ってるよ。
  ずいぶんもち上げてるにゃ。
  ラスボスに関しては何も文句は無い。それどころか賛辞を贈りたいね!
 でもストーリーには不満がある。
  謎を残したまま終わっちゃったもんにゃ。
  大地の両親、生きてるのか、あの会話は大地のイメージなのか曖昧だったもんね。
  生きてるにしてもどこにいるのやら。通信の意味も不明のままだにゃ。
  大地の母親が未来からの電波を受信、それを解析して15年後には全ての生命が滅んでいる可能性があるとわかった。それはグリーザのしわざだったのがXの勝利で未来が変わったのかもしれない。あるいは劇場版への伏線なのか。
  エクスラッガーが古代の遺物だってことはわかったけど、じゃあ誰が作ったのかって謎は残るにゃ。
  来春の劇場版には遺跡やら考古学者が出るからそこで解明されるのかな。

 

  ゴルザアントラーが出るのも遺跡や古代絡みにゃんだにゃ。
  ゴルザアントラーも何度も出てるからインパクトが薄いよね。
  もう強敵って感じがしにゃいにゃ。
  かといってまたファイブキングやギガキマイラみたいに合体させるのも芸が無いし。
 メイン敵役のザイゴーグ、何かどこかで見た事があるようなデザインなんだよなぁ。
  恐竜型怪獣ってたくさんいるからにゃあ。似たようなものがあってもおかしくにゃいにゃ。
  グリーザを見た後だとただ強いだけじゃ色あせて見えちゃうなぁ。「X」スタッフは期せずして自らハードルを上げてしまったね。



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ウルトラマンになるということ 「ウルトラマンX」第20話「絆 -Uniteー」

 豊橋ミケ(以下猫) また次回放送日の更新ににゃっちゃったにゃ。
 九条小夜子(以下九) 今回は初観が金曜の夜だったんだからしょうがないよ。
  遅れて更新でおにゃじみの「ウルトラマンX」。今回は先週放送の第20話「絆 -Unite-」の話だにゃ。
  知っての通り今回はネクサスとの共闘がメイン。バトル中心の娯楽編かと思ったら意外や意外、ドラマ重視な内容で驚かされた。

  Xioの副隊長橘さゆりの夫と娘は怪獣災害を避けるためにカナダに移住していたにゃ。
  いわゆる疎開だね。第16話で日本は他と比べて80倍以上も怪獣が出るっていってたから海外に避難するのはわかる。あれだけ頻繁に怪獣が現れていれば疎開するのもわかる。むしろ「X」で初めて描かれた事の方が意外だよね。
  いわれてみればそうだにゃあ。避難するシーンは山ほど観てるけど、その後の事は描かれてにゃいもんにゃあ。
  「ガメラ3」は怪獣被害者に焦点を当てた意欲作だったね。その他には「ウルトラマンタロウ」のミラクル星人とテロリスト星人の話や「ウルトラマンガイア」に怪獣の被害者救済団体が登場したぐらいかなぁ。
 1954年の「ゴジラ」でも電車内での市民の会話で触れている程度で実際に疎開する描写は無かった。
  怪獣の被害者のその後って意外と描かれてにゃいにゃあ。
  正直、暗くなりがちで話を作りにくいからね。

 突如スペースビーストのバグバズンブルードが現れ、迎撃に向かうXio。
 このバグバズンブルード、撮影はされたけど低視聴率のために話数が減らされたので放送されなかったエピソードに登場した怪獣で、CBCの公式HPにも載っていない。
  レア中のレアだにゃ。04年放送の番組のHPがまだあるのも凄いにゃ。
  いや、結構残ってるもんだよ。
 話を戻すけどこれは意外なチョイスだった。「大怪獣バトル」や「ギンガ」に登場したガルベロスや「大怪獣バトル」、「ウルトラゾーン」に出たパンピーラをさし置いての大抜擢だもん。
  人間と絡むシーンがあるからかにゃ。
  だったらフログロスも……ってそれはないか。
  この辺り、特撮に疎い人にはさっぱりだにゃ。
  「ネクサス」自体マイナーな作品だし、フログロスなんて回想シーンに出てきただけでウルトラマンと戦ってないからね。
 逃げ遅れた女性をかばい、瓦礫の下じきになってしまった橘副隊長。その最中娘から連絡が入る。それどころではないと言おうとしたが、娘たちも怪獣によって危険にさらされていた。その時、光と共にエボルトラスターが現れ、橘副隊長はそれをとっさにつかんでふり上げる。
  ウルトラマンネクサスに変身したにゃ。
  拳を打ち込み、バグバズンブルードを押しつぶすと娘たちの待つカナダに飛ぶ。
 このシーンは第1話のオマージュだね。
  オマージュといえば「ネクサス」の主人公孤門一輝を演じた川久保拓司が出てたにゃ。
  橘副隊長の夫役でね。
  娘を助け出した後、ネクサスと目を合わせるシーンは本当によかったにゃあ。
  何度も見返しちゃったよ。
  小夜ちゃんが?
  自分でも意外だよ。ウチ、「ネクサス」って好き? って訊かれると返答に困るんだよね。
  嫌いにゃの?
  正直、前半は好きじゃない。最初観た時は「巨大化した平成ライダー」だと思ってネガティブに見ていた。でも展開が早くなった後半は面白いと思ってるし、評価すべき点は多いと思ってるんだ。例えばさ、「ネクサス」って主人公が変身するのは最終回なんだ。
  「まどか☆マギカ」よりも早かったんだにゃ。
  最終回までは主人公以外の人間がネクサスに変身するんだ。だから変身する人間を交代させることが可能だった。これ、10年経った今でも斬新なコンセプトだと思うよ。
 奇しくも「まどか☆マギカ」の時にもいったけど、主人公が戦う場合、主人公だから死なないだろうって安心感があるよね。でも  「ネクサス」は主人公がウルトラマンになって戦うわけじゃない。負けて死ぬって展開もありえる。
 ちなみに劇中ではネクサスに変身できる人間の事をデュナミストと呼んでいた。
  最初のデュナミストの姫矢准にゃんか死んだと思ってたもんにゃ。
  二人目のデュナミストの千樹憐は不治の病で長く生きられないからいつも守りを無視した危険な闘い方をしていた。終盤改めるけどね。姫谷准の例もあるし、デュナミストは交代するって知ってるから観ている方はもしかしてって思いが拭えなかった。
 敵のスペースビーストは人の恐怖心をエネルギー源にしてるんだよね。直接人を捕食する他、存在を広く知らしめることでもう一つの餌である恐怖心を作り出していたんだ。それを防ぐためにスペースビーストに遭遇した人の記憶を消していた。
 とまあこんな具合に設定には光るものがあると思うんだけど、前半でそれを活かせなかった。設定にリンクした展開が続く後半に比べるといたずらに登場人物を追いつめるような鬱展開が続いたんだ。それに低予算も災いした。被害を最小限に抑えるという名目でセットを使いまわせるメタフィールドはいいアイデアだと思ってるけど、着ぐるみの数を抑えるために怪獣を出すペースを複数回に一体にした。これも響いた。
  何せネクサスと怪獣が戦うのが第4話だもんにゃあ。
  遅すぎるよ。第1話に至ってはネクサスの出番は数秒しかない。初めて観た時は斬新な試みだなって思ったんだけどね。
 そんなわけでヒーローの魅力をアピールして視聴者の興味をひかなきゃいけない序盤にウルトラマンが全然活躍しない。これは痛かった。前半はドラマを重視しすぎてカタルシス不足の感があった。大人向けに特化して深夜に放送していれば成功したかもしれないけど子供向け番組の枠でこれじゃねぇ……。

  橘副隊長が変身できたのもネクサスならではにゃんだにゃ。
  強引に「X」の話に戻したね。ネクサスがカナダに飛んだ事をいぶかしむXioの隊員達の前で橘副隊長は自分がネクサスであると告白し、娘のために職務放棄した事で処分するよう神木隊長に求める。
  大地が彼女を必死に擁護している点が面白いにゃ。
  自分がいつもやってる事だからね。橘副隊長の処分は彼にとっては自分の全否定に等しい。
 何度も観てるからウチらは麻痺しちゃってたけど、勝手に持ち場を離れるってとんでもない事なんだ。大地は責任の無い立場だからそれが目立たなかったけど橘副隊長は指揮を執る立場の人間。いくらウルトラマンに変身するためとはいえそんな人に職務放棄されちゃたまらないよね。
  防衛チームを指揮するよりウルトラマンに変身した方が事態を早く収拾できる気がするけどにゃ。
  確かにそうなんだけど……。
 同じウルトラマンである大地が擁護するのは当然としてワタル達も橘副隊長の行動を認めている。でも神木隊長は厳しい目を向ける。第15話で描かれたように家族よりも任務を優先させてきた人だからね。認め難いものがあるんじゃないかな。
 正直、この点はもっと踏み込んで描いてほしかった。
 大地は橘副隊長にウルトラマンになった気持ちを尋ねる。それは一言でいえば使命感。
  その後、Xが大地に謝るシーンがあったにゃ。
  橘副隊長の葛藤を見てウルトラマンである事の重みを認識したんだろうね。逆にいえば今までそれを認識していなかった可能性がある。
 再びバグバズンブルードが現れた時、彼女は神木隊長の制止をふり切ってネクサスに変身した。彼女にとってはXio副隊長の任務よりもウルトラマンの使命の方が重いんだね。
  神木隊長がいたからいいようにゃものの指揮官がいにゃくにゃちゃったら隊員はたまったもんじゃにゃいにゃ。
  うん。ウルトラマン、いや、ヒーローって組織とは相いれないものなんだって事がよくわかる。平成ライダーや戦隊シリーズではなく、ウルトラシリーズでこの事が描かれたのは意外だね。
 今回は「ネクサス」の設定を活かしてウルトラマン、いや、ヒーローである事の意味を描いた傑作だった。単なるイベント編にせず、「X」を超え、ウルトラシリーズ全体に通じる作品に高めたスタッフに賛辞を贈りたい。
  ところでネクサスのサイバーカードだけど使い道あるのかにゃ?
  次が最終エピソードだもんね。下手に使ったらネクサスは特別って事になっちゃうし難しいなぁ。使わないんじゃないかな。
  ここでも冷遇されてるにゃ。

 

テーマ : ウルトラシリーズ
ジャンル : テレビ・ラジオ

tag : ウルトラマン ネクサス ヒーロー

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