面白いけど職業映画としては失敗作 映画「のみとり侍」

 九条小夜子(以下九) 今日は映画「のみとり侍」の話!
 初めて観たのがいつだったかは失念したけど、映画館で予告を観てからずっと観たいって思ってたんだよね。で、これがその予告。

 

 豊橋ミケ(以下猫) え? 阿部寛が歌舞伎の口上みたいにゃのを言ってるにゃ。これを劇場でやってたの? それに4月2日って言ってるにゃ。
  いや、この後に流れるのがウチが映画館で観た予告なのよ。最初は予告のみのものを載せるつもりだったんだけど、口上があんまりにも素晴らしかったもんで……。
  で、映画の方はどうだったんだにゃ。
  面白かったよ、面白かったんだけどね……。
  けど?
  魅力的なキャラクターに目がいって気がつかない人が多いと思うんだけどこの映画、ストーリーが変なのよ。
  変?
  阿部寛演じる小林寛之進は藩主の不興を買って藩から追放される。さてこれからどうするかと考えていると藩主が言った「猫のとりにでもなって無様に暮らせ」って言葉を思い出し、その言葉通り猫のとりになる。
 公式HPのあらすじ紹介では左遷って書いてあるけど猫のとり屋と越後長岡藩には何の関係も無いからね。表向きはその名の通り飼い猫のを駆除する仕事だけど、その実態は女性相手に春を売る裏稼業だった。
  そんにゃ仕事本当にあったの?
  公式HPの書き方を見ると猫のをとるってとこまでは史実みたい。
 それまで真面目一筋で生きていた寛之進は大いに困惑する。この様は阿部寛の真骨頂で、この映画の一番の笑わせどころ。阿部寛だけに限っていえば文句なしの百点満点だね。
 奇しくも最初の客は死別した妻とそっくりの女おみねだった。右も左もわからない状態で臨んだ寛之進は下手くそとなじられ、意気消沈する。その時、浮気したらすぐわかるよう股間にうどん粉をまぶせられているというのに女遊びがやめられない小間物屋の入り婿の清兵衛と出会い、彼から女性の喜ばせ方を学ばせてもらう。といっても寛之進は彼の浮気現場をのぞいているだけなんだけどね。
 で、清兵衛から得た性の知識でおみねを満足させた寛之進は自信を取り戻す。もっともこの件、ウチとしては納得いかないんだけどね。
  何でだにゃ? 
  のぞき見た清兵衛の猿真似だったからよ。寛之進ったら清兵衛が愛人に言ったセリフまで言ってるの。これってマニュアル本通りに動く男の子そのもので、女から見たらつまらないセックスだと思うんだけどなぁ。
 以後、寛之進のとり稼業は軌道に乗り、おみねとは馴染み客以上の仲になる。
  めでたしめでたしだにゃ。
  まだ続きがあるのよ。
  え?
  この続きは寛之進が身を寄せる長屋が舞台で、はっきりいって蚤とりじゃなくても成立する話。のみとり侍としての話は前半で終っちゃってるのよ。
  へー。でも後半と前半が違う話になってる作品て結構あるんじゃにゃいの?
  確かにミケの言う通りなんだけど、「のみとり侍」はそのために困った事になってるのよ、
 いくつかのエピソードを通じて寛之進は腕も立つし、情に厚い立派な人だって事がわかる。よくいう完璧超人なのね。でもそれを知ってるのは長屋の住人達や清兵衛だけなんだ。
  え、どういう事にゃ?
  おみねはエピソードの場面に居合わせたわけじゃないし、清兵衛とも長屋の住人達とも会っていないから話を聞くこともできない。つまりおみねは寛之進の事を何も知らないのよ。
 これってどういう事かわかる?
  あ! おみねは寛之進の身体の事しか知らにゃいんだ!
  さっきもいった通りいくつかのエピソードを通じて寛之進が立派なだって事が描かれているから気づきにくいけど、そういう事になるよね。
 くどいけど蚤とりとは関係ない所でそうしたエピソードが展開されているから、おみねは寛之進の身体だけに魅かれたように見えちゃう。
 蚤とり稼業を通じて寛之進が立派なだって事が描かれていればおみねも身体だけでなく人格も含め寛之進の全てに惚れたように見せることだってできたはず。でもそうじゃないから男の身体だけが目当てのうすっぺらい女に見えちゃった。そんなんでいいの?


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tag : のみとり侍 阿部寛 浮気

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