キャリーと鉄雄の後継者 映画「クロニクル」

 豊橋ミケ(以下猫) 「クロニクル」って超能力SF映画を観てきたにゃ。



 九条小夜子(以下九) この「クロニクル」って映画、全編劇中人物の撮った映像を編集したっていう構成になったるの。
 同じような構成の映画は「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」や「ストロベリー・フィールド」、「REC」などホラー映画ではもう珍しくなくなったけど、「クロニクル」の場合、撮影者が不特定多数なんだよね。
  特にクライッマックスの超能力者同士の対決では野次馬の撮った映像や監視カメラの映像がモンタージュされていたにゃ。
 特に野次馬がビビりにゃがらもすげーとか言って撮影した場面は本当に起こった事のように感じられたにゃ。
  リアリティというよりは“あるある”感といった方がいいかもね。
 ただ「クロニクル」の場合、編集したのが誰かが明かされていないから「誰がどうやってあの映像を入手したの?」って疑問が生まれちゃうんだよね。
  ラストを見ると、超能力者が誰にゃのかは世間に知られていにゃいみたいだし。
  POVが当たり前になってきたんで、その辺はもう誰も気にしなくなっちゃったのかな? 未見だけど「ハンコック」も劇中の人が撮影した映像がふんだんに使われているっていうし。
  欠点はあるけどお勧めの映画だにゃ。
  特別料金で1000円だしね。
  小夜ちゃん、それじゃお勧めポイントが誤解されるにゃ!


  ストーリー自体はオーソドックスな超能力者もの。
 いじめられっ子のアンドリュー。彼の父はケガで引退せざるをえなくなった元消防士で、挫折感から酒に頼り、荒れる毎日。保険金で何とか食ってはいけるものの重病の母の薬代700ドルも払えない。近所にはチンピラがたむろしている。
 そんな鬱屈した環境にいたアンドリューが、生徒会長候補のスティーヴといとこのマットと一緒に穴の中に行き、その奥で水晶の様な発光体を見つける。それが超能力が芽生えるきっかけだった。
 一応後で穴を見に行ったら埋められていて、周辺を封鎖していた警官に帰れと言われるなど政府の関与を思わせる描写はあるけど、発光体が何なのかについては一切触れられない。
 最初はブロックを動かしたり、女の子のスカートをめくる程度で、アンドリュー達はいい遊び道具を見つけたって感じではしゃいでいたんだけど、そのうち超能力はどんどん強くなっていき、空を飛べるだけでなく、乗用車を潰したり、バスを飛ばす程になってしまう。
  三人の中でアンドリューは、わざとじゃにゃいとはいえあおってきた車を湖に転落させたり、いじめっ子の歯を引き抜いたりと人に危害をくわえるようににゃるにゃ。
  車を転落させた直後にマットは生き物には使わない、怒っている時は使わない、人目を避けるのエスパー三原則ともいうべきルールを提案。その時は三人ともそれに従うと決めたんだけど、結局アンドリューはそれを破ってしまう。
 アンドリューはスティーヴと組んでパーティで超能力を手品に見せかけたショーで一躍人気者になり、その夜に童貞卒業……と思いきや飲み過ぎで失敗してしまう。せっかくついた自信が傷ついてしまった。
  何か「キャリー」 みたいだにゃ。
  そうだね。監督が「影響を受けた」ってと公言してるし。
  やっぱりにゃ。どっちも不遇のティーンエイジャーで超能力者だし。
  でもね、影響の強さでいえばさらに上な作品があるんだよ。
  えっ!? それにゃに?
  それは後でね。
 家じゃコンプレックスの塊になった父がつらくあたるし、寝たきりの母には何もしてあげられない。自暴自棄になって雷雲の近くですねていたら心配しに来たスティーヴに落雷、彼を死なせてしまう。
  落ち込んでいる時でも場所を選べって教訓だにゃ。
  違うよ!
 アンドリューは超能力者なのに何一つうまくいかないんだ。
 強いコンプレックスの持ち主が自分は回りの連中とは違う、本当は凄いんだと思い込んで、それを心の支えにするのはよくあるけど、アンドリューの場合、なまじ超能力であるが故にそれが選民思想のレベルまでいっちゃった。超能力者である自分は頂点捕食者(トッププレデター)、他の連中はエサのようなもの、好きにしていいんだって思うようになっていった。
 母の薬代を得るためにアンドリューは強盗を始める。当然人を傷つけるようになった。そのためにも理論武装しておく必要があったのかもしれない。
 ガソリンスタンドを襲った際、店員が銃で反撃しようとする。アンドリューは超能力で直撃は免れたけど、銃が暴発してガソリンスタンドは爆発。アンドリューは火傷を負って病院に運ばれる。その間、彼の母は死んでしまい、父はその悲しみをアンドリューにぶつける。
 激昂したアンドリューは暴走状態になってしまった。


 ストーリーはともかく、アンドリューって大友克洋「アキラ」鉄雄に似てない?
  あ、小夜ちゃんがいってた「キャリー」より強い影響を与えた作品て「アキラ」の事だったんだにゃ。
  超能力が強まるにつれアニキ的ポジションだったマットに対し反抗的になり、最後は対立するようになる流れが似てるよね。スケールはずっと小さいけど「クロニクル」は21世紀の「アキラ」といってもいい映画なんだ。
  青春ものでもあるにゃ。
  うん、青春と超能力って相性がいいんだね。
 思春期ってさ、現実を知らないが故の根拠のない自信がある一方で、周囲からきつく抑えつけられてるじゃない。そういった状況を超能力とかの現実を超えた力でふっ飛ばせたらって思いは万国共通なんだろうね。
  それにしても気の毒なのはギレルモ・デル・トロだよね。
 「クロニクル」観たら絶対地団駄踏んで悔しがると思うよ。
  へ? 何でここで「パシフィック・リム」の監督が出てくるにゃ?
  だって、ただでさえ困難だった「童夢」映画化のハードルが「クロニクル」のおかげで上がっちゃったんだよ~。
  確かに比べられちゃうだろうにゃあ。
  これから公開のリメイク版「キャリー」はその点損だね。
  もう完成してるからにゃあ……。

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