「別れ」というテーマは押さえていたけど…… 「星を追う子ども」

 九条小夜子(以下九) 「ほしのこえ」で一躍時の人になった新海誠の劇場最新作「星を追う子ども」の試写会に行って来ました~。
 豊橋ミケ(以下猫) 感想を一言でいうと?
  ジブリmeets諸星大二郎。
  ヒロインを取り巻く環境やクリーチャーのテイストにゃんか、確かにジブリアニメだにゃ。
 それはさておき、影の薄いヒロインだったにゃ。
  まあね。積極的にストーリーに関わったのは地下世界アガルタに行く事を決めた時ぐらいで後は巻き込まれてばかり、助けてもらってばかり。
  真の主役はアガルタの神々の力で亡妻を甦らせようとした森崎だもんにゃ。
  まあそれもしょうがないんだよね。試写後のトークショーで監督自身が明かしていたようにヒロインの明日菜ははっきりした目的を持ってアガルタに行ったわけじゃない。ただ漠然と現状を変えたい、厳しい言い方をすれば逃げ出したいって思ってただけで、その自覚も終盤に至るまでなかったからね。
 構成にも難がある。
 明日菜の物語は彼女が逃げ出したかっただけって事を自覚した時点で終わってるんだよね。そうでなくても主体性が無いから求心力が無いのに、自覚した事で観客を引きつける要素がなくなってしまった。後は広げた風呂敷をたたむだけ。でも物語の主軸は風呂敷の方なんだよね。だから重要なはずの明日菜が自覚するシーンがとってつけたような印象になっちゃってる。クライマックスに明日菜の自覚を組み込めれば彼女の印象はかなり違ったものになったはずだよ。
あと、物語を引っぱっていく森崎の行動が行き当たりばったりなのも気になった。
  文献を読んだだけでアガルタに行くのは初めてって設定だからある程度はやむをえにゃいけど、ぶっつけ本番で奥さんを甦らせる儀式を始めるのは無謀だにゃ。
  まあ、アガルタの人から教えてもらえなかったって事情はあるんだけど。
  生贄が必要だって事を儀式を始めてから気づくんだもんにゃあ。
  運がいいのか悪いのか、明日菜達がのこのこやって来たからよかったようなものの、彼女が来なかったらどうするつもりだったんだろ?
 アガルタの事は「文献に載っていた」で通しちゃってもよかったと思う。確かに何でも文献に書いてあるっていうのはおかしいけど、その辺は融通をきかせてもよかったんじゃないかな。

  イ族は面白かったにゃ。
  地上人を敵視するクリーチャーで、水と光に弱いため、水の中には入れないし、陽の当たる場所にも行けない。何故か明日菜ばかり狙うんだよね。
  森崎は武装してたからじゃにゃい?
  初登場シーンを思い出してよ。あの時、森崎も寝ていたはずだよ。
  現に明日菜がさらわれるのにも気づかにゃかったもんにゃ。
  殺害が目的なんだからその場で殺せばいいのに何故か遺跡に連れ去った。遺跡に連れ去ったら連れ去ったで、陽の当たらない物陰に置けばいいのに何故か影を作る物が何もない場所に放置しておくもんだから逃げられちゃった。馬鹿とかいうレベルじゃないよ。これじゃ逃がすためにさらったようなもんだよ。
  でも見せ方はよかったにゃ。
  うん。明日菜は夢の中でイ族の接近を感知するんだよね。その描写が姿は見えないけど、足跡だけは残るというオカルトチックなもの。また遺跡から明日菜が逃げ出すシーンでは日が暮れるにつれて影がじわじわと迫っていく。この演出は良かったな。

 監督は明日名のキャラクターを「まだ誰もやっていない」キャラと評した。結果的にそうなったのか、それを狙ったのかははっきりしないけど、うちは後者だと思う。
 前例の無い事をしたいって気持ちはわからないでもない。むしろクリエイターには大切なものだと思う。でも、それを優先したためにアラが目立ってしまった。
 次回作に期待したいな。
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