数分で帰ってきたウルトラマン 「劇場版ウルトラマンX きたぞ! われらのウルトラマン」(ネタバレ有り)

 九条小夜子(以下九) 「劇場版ウルトラマンX きたぞ! われらのウルトラマン」を観てきました~。
 豊橋ミケ(以下猫) 今回の敵は閻魔獣ザイゴーグだにゃ。やっぱりTVシリーズのラスボスのグリーザには及ばにゃかったにゃ。
  比べちゃ酷だよ。「まさに平成のゼットン! 『ウルトラマンX』第21、22話」でもいったけどグリーザの突出した個性は近年稀に見るどころか昭和のレジェンド怪獣と肩を並べるレベルだもん。超えるのは容易じゃないよ。だからウチはそんなに期待してなかった。
  ザイゴーグが気の毒ににゃってきたにゃ。
 TVシリーズ終了から三か月も経ってるんでいろいろ忘れてる事もあるだろうと思って何本か観直してから行ったんだよにゃ。
  そしたら冒頭でウチらが観た回を全部ダイジェストで流してやんの。
  無理して観ることにゃかったにゃあ。
  まー、子供にせがまれて劇場に来た親御さんがTVシリーズを観てるとは限らないからね。こうした解説は必要だと思うっていいたいけど、「きたぞ! われらのウルトラマン」の場合はなくてもよかった。
  だってTVシリーズと全然関係にゃいお話にゃんだもんにゃあ。
  最終回でエクスラッガーは大地の両親の研究所のあった場所で見つかった古代の遺物って明かされたし、劇場版では考古学者や古代遺跡が登場するんでてっきり映画の伏線だと思ったんだよね。
  全然関係にゃかったにゃ。
  冒頭のおさらいでもスルーされていたね。結局、エクスラッガーの出自も大地の両親の消息も謎のまま。
  伏線投げっぱなしだにゃ。
  第21話冒頭の会話は何だったんだよ~。

  謎はさておき、今回の映画、小夜ちゃんはどうだったかにゃ?
  謎に一切触れてない事を差し引いても落第点だったね。
  ありゃ。
  ザイゴーグ撃退にあたるXioと碧玉をめぐる民間人のドラマに温度差がありすぎる、ううん、はっきりいって乖離してるんだよ。
 全ての発端はカルロス黒崎が自分のweb番組の目玉にしようと芭羅慈遺跡から碧玉を持ち出した事。なのに彼は反省どころか怪獣の被害なんて屁とも思ってない。
  そのせいでXは一時変身不能ににゃったのににゃ。
  Xだけの話じゃないよ。ザイゴーグは街中で盛大に爆発を起こしていた。避難が済んだ後ってわけじゃなかったから相当数の死者が出ているはずだよ。何よりザイゴーグから碧玉を守り切れなければ地球が灼熱地獄に変わってしまう。人類滅亡の危機なんだ。
 誤解してほしくないんだけど、ウチは怪獣映画に私利私欲を優先し、他人を顧みない人間を出すなっていってるんじゃない。
 例えば「モスラ対ゴジラ」の虎畑二郎とハッピー興業は金儲けのために小美人にモスラの卵を返さなかった。その結果、ゴジラから卵を守るために母モスラは闘い、命を落とした。
  徹底的に悪人として描かれてたにゃ。
  だから「モスラ対ゴジラ」は駄作かというと決してそんなことはない。じゃあ「きたぞ! われらのウルトラマン」はどうか。
 考古学者の玉城ツカサはザイゴーグ出現のどさくさに紛れてカルロス黒崎から碧玉を取り返す。ところがビルがザイゴーグに襲われ、倒れた鉄柱に挟まれてしまった。折悪しくそこに彼女を追ってカルロス黒崎が来る。動けない彼女をどうするか? 何と彼は玉城ツカサを助けようとするのよ。
 ミケ、どう思う?
  こいつ何考えてるんだにゃ。
  うちは悪人に人助けをやらせるなっていってるんじゃない。でもここは碧玉を奪って逃げるところでしょ。
  極度の目立ちたがり屋でそのためには何でもするけど根は善人ってことじゃにゃいかにゃ?
  そういうキャラだって事に問題は無いの。問題はそんなキャラが似合う物語かって事。だってカルロス黒崎が目立ちたい一心で碧玉を持ち出したその代償がザイゴーグによる大破壊だよ。どう見ても釣り合わないでしょ。
 Xioは総力をあげてザイゴーグ迎撃に臨む。
  サイバーカードをばんばん使ってたにゃ。
  そう。それでもザイゴーグを止められず、隊員達は追い詰められていく。それと同時進行で碧玉をめぐって緊張感の無いゆるいドラマが展開されている。スタッフは箸休めのつもりかもしれないけどウチは元凶のくせにいい気なもんだな! って思っちゃったよ。
 ウチはね、怪獣映画はすべからく深刻であるべきっていうつもりはないよ。「キングコング対ゴジラ」みたいな例もあるんだし。
  あれにゃんか宣伝のためにキングコングを日本に連れてきちゃったもんにゃあ。
  あれも死人が出てるはずだけど徹底して陽性な作風のおかげで深刻な事態には感じないでしょ。逆にさ、映画「クレヨンしんちゃん」の敵が一般市民を虐殺したらどうなる?
  しんちゃんのギャグが浮いちゃうにゃ。
  「きたぞ! われらのウルトラマン」が犯したのはまさにそういうミスだよ。
 「極度の目立ちたがり屋でそのためには何でもするけど根は善人」なキャラにゆるいドラマを演じさせたいのなら人類滅亡ではなく“人騒がせ”なレベルのお話にするべきだった。
 長期連載なら最初はゆるかったのに話が進むにつれシビアになっていくという事はよくある。でも単発の映画ならテンションを保つというか温度差は出さない方がいいよ。
 ドラマ面でいえばもう一ついいたい事がある。
  まだあるのかにゃ!
  子供の描き方がぞんざいなのよ。一個の人格ではなくティガ復活のための道具としてしか見てないから表面的で中身が無いの。
 今時あんな汚いワインのコルク抜きを古代の宇宙船の部品といって大事にする子供がいるか! あれじゃ夢見がちじゃなくてバカだよ。
  確かにあれは興醒めだったにゃ。
  99年の「ウルトラマンティガ&ウルトラマンダイナ&ウルトラマンガイア 超時空の大決戦」は子供の描き方がしっかりしていてジュブナイルSFとしても一級品だった。今後子供を出すならスタッフはそれを観て勉強するべき。
  けなしてばっかりだにゃ。

  民間人は噴飯ものだけど、怪獣はよかった。特にゴーグアントラーとティガスカイタイプ、Xioの空中戦は素晴らしい。
  アントラーって地中に潜んで獲物を待ち受けてるって印象が強いから意表を突かれたにゃ。
  それはウチも同じ。でもアントラーってアリジゴクではなくクワガタムシとカブトムシがデザインモチーフなんだよね。だから空を飛んでも違和感がないどころかむしろ今まで飛んでいない事が不思議なくらい自然だった。
ゴーグアントラーとゴーグファイヤーゴルザを倒されたザイゴーグが苦し紛れか背中のトゲを世界中に飛ばし、そのトゲがツルギデマーガに変わる。散らばったツルギデマーガを倒すためにTVシリーズで共闘した歴代ウルトラマンが駆けつける。
 正直、ストーリー上の意義は無く、ファンサービスの域を出ないけど、カイロの街中に立つネクサスやダラスのビルの窓に映るギンガは実にいい“絵”だった。
 田口清隆監督の画面作りの才能は凄いと思ったよ。
  TVシリーズの最終回みたいに攻防戦に絞った展開だったら評価も変わっていたかにゃ?
  可能性は大だと思うね。
 正直、褒められる内容じゃなかったけど、光るものはあった。これからも田口清隆監督には期待したいな。

  「X」もこれで終りにゃのかにゃ。
  かもしれないね。15年前のグリーザとの戦いで失った身体も元に戻っちゃったから大地とユナイトする必要なくなっちゃったし、円谷プロが7月7日に何か事を起こすって噂も聞いてるし。何よりファイナルユナイトって銘打ってる。
  それじゃあ第二期はないのかにゃ。
  ウチはやってほしいけどX帰っちゃったからね。
  でもすぐ戻ってきたにゃ。
  あれには驚いた。最短記録だよ。
  めでたいかにゃ。
  そんな記録作ってどうすんのよ。誰も破ろうとしないって。
 アニメの最終回でメインキャラが去ってしまったと思ったら間を置かずにひょっこり帰ってくるってのをよく見るけどまさかウルトラシリーズでもやるとは……。
 あれってウチ嫌いなんだよね。別れないなら去るような展開は不要だと思う。結局戻って来たって事はさ、その直前の別れのあれこれってなんだったの? ってなるじゃない。もし泣いたりしてたらバツが悪いよ。いつかまた会える事を信じてきれいにお別れを言わせてほしかったな。



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テーマ : ウルトラシリーズ
ジャンル : テレビ・ラジオ

tag : ウルトラマン ザイゴーグ アントラー ゴジラ TV シリーズ 怪獣映画

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