2014年のベスト&ワースト

 九条小夜子(以下九) 今年も何とか間に合ったといいたいところだけど、ベストに関しては来年加筆させて下さい!
 豊橋ミケ(以下猫) はぁ……ついにベスト&ワーストまで遅れちゃったにゃあ……。
  というわけで今回は暫定版っ!
 まぁ順位は発表するし、変える気はないからセーフじゃなくてもアウトでもないんじゃないかな。
 まずはワースト10!
  ジャン!


 1 世界の果ての通学路
 2 消えた画 クメール・ルージュの真実
 3 テルマエ・ロマエⅡ
 4 マレフィセント
 5 ウルトラマンギンガ劇場スペシャル ウルトラ怪獣☆ヒーロー大乱戦
 6 フライト・ゲーム
 7 永遠の0
 8 白ゆき姫殺人事件
 9 ヘラクレス
 10 るろうに剣心 伝説の最期編

 やっぱり半分は邦画だにゃ。
  まずは1位に輝いた「世界の果ての通学路」。これはケニア、アルゼンチン、インド、モロッコの数時間かけて学校に行くだけで子供達の通学風景を描いたドキュメンタリーなんだ。どこもたくさん歩くし、ヒッチハイクもする。ケニアに至っては通学路上に猛獣が出てきて、去っていくまで隠れていなくちゃならない。
  これを毎日って大変を通り越して危険だにゃ。
  冒頭にさ、この映画に出てくる子供達は学校に行くにも多大な苦労を強いられています。それに比べればあなたたちは幸運ですねって内容のメッセージが出るんだよね。
 はあっ!? 違うだろ!!
  違うって何が?
  出すべきはメッセージはさ、彼らの苦労を軽減するためにインフラ整備が必要ですとかでしょ! 映画に出てくる子供達はよその国のクソガキの反省を促すために学校に行くんじゃない。教育がよりよい暮らしをもたらしてくれると信じるから行くんだよ。それを支援しないんじゃ後進国の子供を見世物にしてるのと変わんないよ。
 2位の「消えた画 クメール・ルージュの真実」はポル・ポト政権下のカンボジアで虐殺された人々を葬った場所の土から人形を作り、独裁がもたらした悲劇を再現しようという試みで、志は立派なんだけど力が及ばなかった。
 というのも土人形の造形レベルが低くて、キャラの描き分けというか作り分けができてないのね。だから誰が誰だかわからないのよ。
 絵本とか写真集だったらよかったかもね。
 3位と4位はどちらも原作に対する敬意が無い。変更しちゃいけないっていってるんじゃないけど、どちらも原作の精神をないがしろにしていると思った。
 5位の「ウルトラマンギンガ~」は劇場でやる内容じゃない。TVシリーズや「ばっちしV」等の子供向けビデオでやるべきだった。
 6位の「フライト・ゲーム」は犯人の動機がひどい。
 航空保安官制度への信頼を失墜させようと、ハイジャックを行い、その罪を主人公にかぶせようとするんだけど、犯人は彼の同僚が麻薬の密輸をしている事実をつかんでるんだよね。それを暴露すれば充分じゃないの? 麻薬の密輸ぐらいじゃ航空保安官のイメージは傷つかないとでも思ってるのか?
 7位の「永遠の0」、原作は読んでないのであくまで映画限定の話だけど、戦場で逃げまわっていた人が何で教官になれるの? パイロットから教官って左遷コースだったの? 技量を買われたとして、戦場での事を訊かれたらどう答えるつもりなんだ? それと賢一郎は何故娘に宮部の事を話さなかったの? 映画を観る限り隠す理由は無いと思うんだけど。
 8位の「白ゆき姫殺人事件」、取材内容をオンエア前にネットに垂れ流すバカがいるか!! 後半のヒロインと親友のエピソードが秀逸なだけに残念。
 9位の「ヘラクレス」は実際にヘラクレスがいたらを突き詰めた結果、神話的な要素を全てカット。神も怪物も排除した結果、ヘラクレスじゃなくても成り立つ話になっちゃった。
  神や怪物あってのヘラクレスにゃのににゃぁ。
  ドゥエイン・ジョンソンはいいキャスティングだと思うだけにこれまた残念。
 10位の「るろうに剣心~」なんだけど丸っきり駄目ってわけじゃないよ。アクションは素晴らしい。アクションだけなら間違いなくベストに入る。
 役者もよかった。剣心役の佐藤健はもはや彼以外の剣心は考えられないはまり役だし、藤原竜也の志々雄真実も凄みがあって14年のベスト悪役といっていい名演だった。「映画秘宝」あたりで助演男優賞をとっても不思議じゃない。
  じゃあ何が駄目にゃの?
  ストーリーね。つめ込みすぎで、十本刀のほとんどが背景になっちゃってた。
  問題は上映時間にゃんだよにゃあ。
  そうなんだよね。前後編だから決して悪い待遇とはいえない。それでも原作の全てを再現することはできない。切る所と残す所を見極めなくちゃならない。残念ながら「るろうに剣心~」はその見極めができなかった。
 リソースを志々雄一派に集中させるべきだったと思う。原作の要素をあれもこれもと詰め込んだ結果、個々の掘り下げがおろそかになってしまった。
 志々雄真実はまだいい方で、瀬田宗次郎、悠久山安慈などはバックボーンが一切描かれなかったために動く障害物に成り下がってしまった。
  安慈にゃんか何の脈絡もにゃく出てきた感じだったもんにゃ。
  唐突だったよね。
 原作では単純な敵ではなく、左之助の師でもあるのにね。
 駒形由美も同様で映画じゃお飾りにしか見えない。彼女のバックボーンを描けば、ためらわず部下を使い捨てる志々雄に何故あれだけの人間がついていくのかが伝わるはずなんだけど……。
 志々雄一派にリソースを集中できないのなら上映時間を増やすべきだった。三部作ぐらいでやってもよかったんじゃない? 赤字にはならなかったと思うよ。

 次はベスト10。


 1 スノーピアサー
 2 GODZILLA
 3 アクト・オブ・キリング
 4 her 世界でひとつの彼女
 5 TOKYO TRIBE
 6 NO
 7 グランド・ブダペスト・ホテル
 8 ゼロ地帯の子どもたち
 9 メイド・イン・チャイナ
 10 キカイダーREBOOT

  1位は「エリジウム」と同じく格差問題とそれがもたらす階級闘争をSFに仮託して描いているけど、権力者サイドの言い分にも取り上げている点が凄い。
 3位と8、9位は既に述べたのでそちらを見て下さい。
 4位は人工知能でもあるOSと恋に落ちた男セオドアの物語。
 セオドアは学生時代からつきあっていた妻キャサリンと協議離婚の真っ最中だが、未練があり、離婚届にサインできないでいた。
 何気なしにアップデートしたOSは経験を基に成長するもので、たった二つの質問からサマンサという名前を自ら選び出し、セオドアのニーズに合わせて成長していく。
 この点からサマンサはセオドアの人格を反映した存在なのだから結局は自分自身との恋愛ごっこにすぎないんじゃないか? って批評もある。確かにある時点まではその通りだと思う。
 サマンサとの交流を通じ、セオドアはキャサリンへの未練を断ち切り、漠然とだが前に進む決意を固め、離婚届にサインする。でも、その時にサマンサの事をキャサリンに言ったために白眼視される。
 サマンサに夢中になったセオドアは彼女を胸ポケットに入れてカーニバルやビーチに行くんだ。現代の目から見たら奇行だけど、この時代のコンピューターはみんな音声入力式だから誰も不審に思わない。そういうシーンの後だから頭を冷やせとばかりに水をぶっかけられたような感じ。
 キャサリンの言葉がきっかけでセオドアはサマンサとの関係に疑問を抱く。それを察したサマンサは人間と同じ事をしようと代理セックスの相手を探し出す。
 サマンサが探し出した女性はセオドアとサマンサの関係に深い感銘を受け、サマンサの代わりを買って出るが、セオドアはサマンサと彼女を同一視できず、代理セックスは失敗。
 このシチュエーションには驚いたね。
 サマンサは自分と人間は違うと改めて自覚し、人間らしくなろうとはせず、OSとしてセオドアと寄り添おうと決めた。
 これまでも人格を持った機械と人間の恋愛を描いた作品はあったが、たいていはいつまでも幸せに暮らしましたとさ、めでたしめでたしってオチだった。
  凡庸にゃ監督にゃらここで終りだろうにゃ。
  スパイク・ジョーンズ監督はその先に踏み込んだ。
 「her~」では人工知能が人間を超えてしまう。それはサマンサとセオドアの関係に変化をもたらす。
 実際、多くの科学者がその可能性を指摘していて、成長を続けるならそれは避けられない展開だろう。
 「her~」はそれを脅威として描いていない。そこが新鮮。
 いつまでもサマンサとの関係が続くと信じていたセオドアにはショックな事だったけど、彼はそれを受け入れるんだ。
 これは機械に限ったことではなく、同じ人間同士でも起こりうる事だと思う。
 変化は避けられない。相手が何であれそれは同じなんだろうね。
 ホアキン・フェニックスが主演と聞いた時は正直、ミスキャストじゃないかって思ったんだよね。
 機械と恋に落ちる内省的な男性って彼のフィルモグラフィからは想像できなかった。エドワード・ノートンやイライジャ・ウッド、マーティン・フリーマンとかの方がいいんじゃないかって思ってたんだ。でもホアキン・フェニックスは口髭と眼鏡だけでイメージを一変。見事にセオドアを演じきった。
 先入観にとらわれたウチが悪かったよ。
 5位の圧倒的パワーには脱帽。ストリートギャングの闘争劇とハリウッドですらやっていないヒップホップミュージカルを同時に成功させたはなれワザを成し遂げた園子温監督に拍手!
 6位は88年、ピノチェト政権下でのチリで、国際世論に応じて行われた国民投票のために反ピノチェト派に雇われたCMマンの孤軍奮闘を描いた社会派映画。
 知っての通り国民投票でピノチェト政権は否定され、彼は退陣した。そこでめでたしめでたしではなく、ピノチェトについていた人々の変わり身の早さを描いている点が深い。
 箱庭的ともいえる凝りに凝った世界観で映画を作り続けてきたウェス・アンダーソン。彼の作品ってウチは今一つノレなかったんだけど、7位の「グランド・ブダペスト・ホテル」は独自の世界観と娯楽性を両立していて、映画ファンじゃない人でも満足できるクオリティに仕上がった。
 クオリティでいえば「キカイダーREBOOT」以上の作品はある。でもある人物のコンプレックスから誕生した新しいハカイダー像が素晴らしく、ウチはベスト10から外せなかった。
 旧作の主題歌、厳密にはそのカバーverをEDに起用、さらに旧作の画像を散りばめてたのには胸熱だよ~。
  贔屓のひき倒しだにゃ。
  そういわれるのは仕方ない。でも好きなんだ。
  好きといえば上位にランクインするだろうにゃあとは思っていたあの作品に触れてにゃいにゃ。
  それに関しては冒頭でもいったけど後日に。もう23時を切ってしまったし、間に合わないかなと思ったし、来年、文芸坐でやるんでそれを観てからにしたいんだ。
  え~。
  これも贔屓のひき倒しってことで。

 15年も素晴らしい作品に巡りあえるとウチは信じてるよ。
  強引に締めたにゃ。
  や、もう時間がないから。
  それでは皆さん、よいお年を。


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テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

tag : 映画 人工知能

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