今年のベスト&ワースト今年の内に 2013年ベスト&ワーストシネマ

 九条小夜子(以下九) というわけで今年観た映画のベスト&ワーストで~す。
 豊橋ミケ(以下猫) 小夜ちゃん、ベスト&ワーストっていうけど、実際の順番はいつもワーストからだよにゃあ?
  そりゃ終りよければ全てよし。けなして終るよりはほめて終る方が印象いいでしょ。
 てなわけでワーストから。


 1位 失魂
 2位 ダイ・ハード ラストデイ
 3位 レッド・ライト
 4位 ガッチャマン
 5位 スティーブ・ジョブス
 6位 マラヴィータ
 7位 悪の法則
 8位 そして父になる
 9位 ルパンⅢ世VS名探偵コナン THE MOVIE
 10位 鑑定士と顔のない依頼人

  珍しいにゃ。半分が洋画だにゃ。
  1位の「失魂」は登場人物の自分本位で無責任な言動が不快なレベルに達していたから。
  人間的な魅力も無いんだもんにゃあ。
  悪人を描く場合、それって大切だよね。でなければ距離を置いて観察者に徹するとか。もっとも「失魂」はそういう映画じゃないんだけど。
 2~4位は作ってる側が観客をなめているか、頭が悪いかの二つに一つ。
 5位「スティーブ・ジョブス」にもその匂いを感じた。ウィキペディアを読めばわかる事を2時間もかけてやってた感じ。スタッフはスティーブ・ジョブスを通じて何をやりたかったの? それが「ソーシャル・ネットワーク」との大きな違い。
 7位の「悪の法則」、ウチは原作小説は読んだことないんだけど、分厚いんじゃないかって気がした。
  へ?
  ほら、よくあるじゃない。分厚い原作小説を映画化した時、2~3時間に収めるためにいろいろはしょっちゃって読んでない人には首をひねる場面が多いって事。
  うん、あるにゃ。
  それと同じ感触を持ったのよ。
 8位の「そして父になる」。これ、親の都合しか描いてないのよね。子供にだってさ、友達との別れとかあるはずなのにそれに一切触れていない。そこに抵抗を感じるのよ。
 9位の「ルパンⅢ世VS名探偵コナン THE MOVIE」はフォローすべきところが間違っている。ルパンとコナンって先にTVスペシャルで共演していて、この映画はその続編なのよ。TVスペシャルのキーアイテムだったヴェスパニア鉱石が今回も重要なアイテムになってるんだけど、劇中ではその説明が無いの。ウチもTVスペシャルは観ていたはずなんだけど、すっかり忘れていたので試写会では何がなんだかわからなかった。
  そういうのって続編にはつきものにゃんじゃにゃいの? それでワーストは厳しいにゃ。
  ミケのいう通りなんだけど、「THE MOVIE」ではコナンしか観ていない人に対する配慮か、ルパン一味の説明が入るの。もちろんコナンファン=ルパンファンじゃないんだからそれはいいの。ただそれをやるんだったらTVスペシャルの事もフォローすべきじゃない?
 10位の「鑑定士と顔のない依頼人」、前宣伝では思わぬラストとかいってたけどウチはすぐにハニートラップだってわかった。
 あの程度で予想外は大げさだよ。

 次はベスト。今年は1位を一つに絞れなかった。


 1位 故郷よ
 1位 劇場版魔法少女まどか☆マギカ 新編 叛逆の物語
 3位 偽りなき者
 4位 ジャンゴ つながれざる者
 5位 クロニクル
 6位 セデック・バレ
 7位 ゼロ・グラビティ
 8位 エリジウム
 9位 凶悪
 10位 燃える仏像人間

  興行成績では邦画が好調だったけど、作品のクオリティは洋画勢の圧勝だった。
  「燃える仏像人間」……。
  いや、ミケの言う通り作品としては「ライフ・オブ・パイ」や「パシフィック・リム」の方が上だと思うよ。思うけど、ウチはどうしてもこれをベストに入れたかったのよ。
  8位の「エリジウム」と4位の「ジャンゴ つながれざる者」は社会性の強いテーマと娯楽性を高いレベルで両立させていた。
  「エリジウム」は同じニール・ブロムカンプ監督の「第9地区」と話の骨格が同じなのが気にかかる。だから「エリジウム」は駄目っていうわけじゃないけど、ニール・ブロムカンプって引き出し少ないの? って思っちゃった。
  ワンパターンにゃクリエイターって結構いるにゃ。そういう人ほど熱心なファンがいるものにゃ。
  ミケのいうこともわかるよ。一つの武器に磨きをかけていくのも戦略としてはアリだと思うけど、ウチはニール・ブロムカンプは才能あると思ってる。だからこそ、もっと幅を広げてほしいと思うんだ。
 9位の「凶悪」は一級品の犯罪ドラマ。
  ピエール瀧とリリー・フランキーは凄かったにゃ。
  山田孝之も頑張っていたと思うけど、役柄上先の二人と比べると地味に見えちゃう。
 そのピエール瀧もリリー・フランキーも民族の誇りに準じる覚悟を決めた「セデック・バレ」のセデック族にはかなうまい。
 1位の「故郷よ」はチェルノブイイリ原発事故で故郷を失った人達を描いた名作。日本なら、いや、日本だからこそ単館ではなく全国公開でやるべきだった。
 ウクライナの地方都市プリピャチ。アーニャの結婚式の最中、消防士の夫は山火事の消火に駆り出される。
 山火事というのは嘘で本当はチェルノブイリ原発の事故だった。アーニャの夫は被爆し、帰らぬ人となる。
 原発技師のアレクセイは事故の発生を知ると家族に命じて窓の目張りをさせる。責任を感じた彼は少しでも被爆を防ごうと尽力するけど守秘義務のためにままならない。心が折れたアレクセイは家族の元を離れ、放浪生活に入る。
 プリピャチは避難地域に指定され、アーニャもアレクセイの家族も強制退去させられた。
 時は流れ、アーニャは観光客を避難地域、かつてのプリピャチに案内するガイドになっていた。彼女はかつらを使っている。放射線障害で髪が抜け始めているからだ。
  そこまでして故郷にいたかったのかにゃ。
  うん。一度は求婚に応じてフランスに移るけど、結局プリピャチに戻ってしまうんだ。
  廃墟になったプリピャチにいっぱい馬がいたけどあれは?
  昔はウクライナにも野生の馬がいたんだけど1879年に絶滅しちゃった。90年代になってかつての生態系を復元しようとモンゴルから連れてきたんだって。それがプリピャチに流れてきたんじゃない?
  にゃるほど~。
 話しは変わるけど観光客が奇形の動物はいないの? って訊くシーンがあったにゃ。
  実際には奇形動物はいないらしいよ。でも50年代は日本だけでなく欧米でも放射線の影響で生物が怪物化する映画が作られた。それで放射能=突然変異ってイメージができちゃったんだ。
 「故郷よ」でくみ取るべきはその可能性の大小じゃなくて、観光客らが好奇心で訊いている点だね。
 自分の家を見世物小屋扱いされたら誰だって不愉快だよね。
 アレクセイの息子ヴァレリーは父の面影を求め、周りが止めるのもきかずに避難地域に入る。
 無人だと思われていたプリピャチには不法移民や難民が隠れ住んでいた。思い出の場所も彼らに占拠されていた。ヴァレリーはかつて住んでいた家に父へのメッセージを書き残す。
 前半は原発事故の恐ろしさを、後半は放射能汚染で故郷を失った人々の喪失感をヴァレリーに、断ち切り難い想いをアーニャに託して描いている。
  頭で考えればフランスで暮らした方がいいに決まってるにゃ。でもそう簡単には割り切れにゃいにゃ。
  ウチは表現規制にも原発推進にも反対している。だからそれに関わるテーマを扱っている「故郷よ」と「偽りなき者」をひいきしているのかもしれない。
  その点は悩んだにゃ。
  結局は上位につけたいって気持ちを優先したんだよね。
  1位の「劇場版魔法少女まどか☆マギカ 新編 叛逆の物語」はそういう理屈とは関係にゃく、ただただいいと思ったから選んだにゃ。
  あの展開はまったく予想してなかった。普通のクリエイターならキュウべえの魔手からほむほむを解放したところで終わらせるのに。
 虚淵玄も凄いが、あの結末を了承した新房昭之監督やプロデューサーも凄い。
  拒絶反応が出にゃいとはいえにゃいもんにゃあ。
  英断といっていいよね。
 予想外といえば前半の対ナイトメア戦。
  まどキュアににゃってたにゃ!
  メガほむ派のウチには至福の時だったよ。
 杏子と風見野町に行こうとするがうまくいかない。その過程でほむほむの口調、いや性格がメガほむからTVシリーズの時のものに変わっていく。この微妙な変化は演じ分けただけでも斉藤千和は素晴らしい。
  微妙な違いといえば仁美が恭介に電話する場面の足運びにも注目にゃ。
  恋する女の子の感情の変化をさりげなく表していたね。
 そういった繊細な描写もいいが、バトルシーンもいい。
  マミさん対ほむほむのスピーディな動き、彼岸の魔女と魔法少女達の総力戦にゃんか何度観ても飽きにゃいにゃ。
  そして最後の悪魔ほむほむへの変化。ウチは特に彼女の眼がいい。“壊れた幸せ”を見事に体現している。
一番凄いのは「叛逆の物語」が皆の欲求に応えているところ。
  にゃ?
  例を挙げるね。
 新房監督はさやかをよみがえらせたがっていた。その欲求はまどかのかばん持ち、悪魔ほむほむの世界改竄によって達成させられた。
 TVシリーズでは友情の範囲だったけど、まどかほむほむの関係は同性愛の域に入ったんじゃない?
  確かにほむほむはまどかに対する気持ちを愛だって認めちゃったけど……。
  程度はともかく二人の関係はTVシリーズより進んだものになっていたはず。
 さらにさやか杏子のキャッキャウフフな関係。
  いや、あれはじゃれあってるだけだから。
  TVシリーズ本編ではありえないものだった。ファンが二次創作に求め、見出していたものを公式が提供している。
 とまあこんな具合に「叛逆の物語」はファンや関係者の要望、欲求に耳を傾け、彼らの想像を超える形で応えるという離れ業をやってのけた。
 やはり「反逆の物語」は1位にふさわしいと思うよ。

  2013年も残すところあと16時間ほどだにゃ。
  正直、暗い年だったと思う。だからこそ14年は頑張って少しでも明るい年にしていきたいな。
  それでは皆さん、よいお年を。

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