すべり込みセーフ! 第23回東京国際映画祭&2010年のベスト&ワースト

 九条小夜子(以下九) 今年で23回目になる東京国際映画祭、ウチらも行ってきました~。
 豊橋ミケ(以下猫) ……小夜ちゃん、2010年もあと数時間で終りだにゃ。
  うう……来年こそは……。
  今年は不作だったにゃ。
  そうだね。人に勧められるくらい面白いものはなかったもんね。
 特にひどかったのが「ビューティフル・ボーイ」。ある夫婦の息子が大学で乱射事件を起こし、自殺しちゃうんだよね。
 息子は大学進学を気に寮生活をしていたんだけど、その寮に遺品を取りに行くシーンがないのが許せなかった。
  え、何で?
  息子の大学生活を描いたのは冒頭の1シーンしかなくて、それは今後の展開を思わせる自作の詩の朗読だった。最後に母親にかけた電話で雪の結晶の話をしたけど、その事を夫婦で語り合う事もなかった。何故かこの夫婦、息子が何故乱射事件を起こしたのかを知ろうとしないのよ。
 犯罪者の親ってこんなんじゃないよ。
 シリアルキラーのジェフリー・ダーマーの父、ライオネル・ダーマーが書いた「息子ジェフリー・ダーマーとの日々」って本を読んだ事があるんだよね。ライオネル・ダーマーは息子が何故あんな事をしたのか、もしかしたらあの時のあれが原因なのでは? と気の毒なくらい悩み続けるのよ。

息子ジェフリー・ダーマーとの日々息子ジェフリー・ダーマーとの日々
(1995/08)
ライオネル ダーマー

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  にゃるほど~。全く関心を持たないのってのは解せにゃいにゃ~。
  でしょ? 
  何でかにゃ?
  ウチの考えではこの映画が夫婦の再生だけの物語だから。それは妻が夫を迎えにモーテルに行くシーンで終わってしまう事からも明らか。
 結局、息子の乱射事件って夫婦の崩壊をもたらすためのきっかけでしかないのよ。加害者家族の問題を真剣に考えてはいない。
 アメリカの事情を考えると同様の悩みを抱えている夫婦は少なくないはず。彼らがこの映画を観たらどう思うかな……。
  あたしがひどいと思ったのは「エッセンシャル・キリング」だにゃ。
  ああ、ヴィンセント・ギャロが雪山でウロウロするだけの映画ね。
  ヴェネチア映画祭で審査員特別賞と主演男優賞受賞したのが信じられにゃかったにゃ。
 アフガンで捕えられた反米ゲリラのギャロは何故かロシアに送られるにゃ。
  言葉がそれっぽいからロシアじゃないかってウチは思ったんだけど、劇中ではっきりそういってるわけじゃないんだよね。
  それどころか台詞が殆どにゃい。
  カナダやアラスカとかならわかるんだけどねぇ……。
 隙を見て脱走したのはいいけど、言葉も通じない、右も左もわからない異国の雪山でのサバイバルを強いられる。
 でもこの映画、逃走劇じゃないんだよね。
  一応追っ手は出てくるけど、一度見失ったらそれっきり出てこにゃい。
  随分諦めの早い追っ手だな~。
 一応、作業員と格闘して殺したり、未亡人のお世話になったりはするんだけど、どちらも突発的な出来事って感じで、そこからストーリーが発展したりとかはないんだよね。
 他に何かあったっけ?
  アリ塚壊してアリを獲ったり、木の皮を剥いで食べたりしてにゃ。
  あー、あれは観ていて変だなーって思ったから覚えてるよー。
とにかく雪山をさまようギャロを何の考えも無しに撮り続けたとしか思えないんだよね。
  何がいいたいのかさっぱりわからにゃかったにゃ。
  フランスの移民問題を描いた「ハンズ・アップ」もひどかった。
 不法移民の子供が強制送還を恐れて友達と一緒に家出しちゃうんだけど、不法移民がどのように扱われているのか、その描写がないから事情を知らないウチには危機感が伝わらないんだよね。で、大人が右往左往しているのに対し、子供達は始終キャンプ気分なもんだから「いい気なもんだな、このクソガキが!」ってなっちゃう。
  一度でいいから直接描写を入れるべきだったにゃ。
  これ、老人になった主人公達のを回想するっていう構成になっているんだけど、何でそんな構成にしたのかも謎。
  意味にゃいよにゃ。


  よかったのはすずきじゅんいち監督のドキュメンタリー「442 日系部隊 アメリカ史上最強の陸軍」。

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(2011/04/22)
ダニエル・イノウエ、スティーブ・シミズ 他

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  第二次世界大戦の時、アメリカ在住の日系二世のみで構成された部隊があったんだにゃ。
  それがタイトルロールの442連隊
 生存者のインタビューを中心に構成されたドキュメンタリーなんだけど、これ架空戦記じゃないの? って思っちゃうくらいの大活躍だった。
 442連隊の人達に限らず、真珠湾攻撃を機に在米日本人と日系アメリカ人は敵国人扱いされた。
  一般市民だけじゃにゃく、既に軍隊に入っていた人達まで敵視されていたのには驚いたにゃ。
  日系の軍人は名誉除隊という名目で追い出されたし、忠誠心を示そうと新たに志願する事もできなかった。でも戦闘に従事しない労働部隊なら入ることができた。それを足がかりに100大隊が設立された。
  これが後の442連隊ににゃるんだにゃ。
  100大隊はヨーロッパ戦線に投入された。イタリアのサレルノから上陸してモンテ・カッシーノの戦いに参加。その後、アンジンに移り、ローマを目指した。
  このまま進軍すればローマに一番乗りするはずだったにゃ。でも上層部の命令でローマの直前で待機。その後、ローマを迂回して反対側に抜けたにゃ。
  その間に白人主体の部隊がローマを解放する。
  ずるいにゃ。
  その後、100大隊は442連隊に組み込まれる。普通はその際に改名するんだけど、これまでの活躍を認められ、100大隊のままになった。
 フランスに移ると、ボージュの森でのテキサス大隊救出作戦を命じられた。
  二百十数名のテキサス大隊を救うために443連隊は過半数の死傷者を出したにゃ。
  こんなエピソードがある。
 
テキサス大隊救出後、作戦を命じた将軍が442連隊を召集したところ、その数の少なさに激怒し、442連隊の一人に「他の兵はどうなったのか?」と尋ねた。兵が「他は戦死か入院です」と答えると将軍は絶句した。
  このテキサス大隊救出作戦によって442連隊の名は広く知られるようになったにゃ。
  442連隊の中の収容所出身者を集めた部隊がダッハウのユダヤ人強制収容所を解放。
 442連隊は再びイタリアに戻り北部国境のゴシックラインと呼ばれる防衛線の攻略を命じられた。2万数千人を投入しても堕ちなかったゴシックラインを442連隊は1日で陥落。
  マジ!?
  架空戦記も真っ青の大活躍だよね。信じられないのも無理はないけどイタリア、フランスの各地には442部隊の活躍を称える記念碑があるんだよ。
  ネトウヨが大喜びで吹聴しそうな大活躍だけど、あたしらは全然知らにゃかったにゃ~。
  そうなんだよねー。外国に興味が無いのは昔からって事なのかな~。
 知られていない凄い日系人は442部隊だけじゃないんだよ。
 日系人だけで構成されたMIS(ミリタリー・インテリジェンス・サービス)という部隊があるの。アメリカで産まれ、日本で育った日系人を集めた部隊で、日本語の知識を駆使して暗号解読などの諜報活動を行った。その過去から彼らは完全に信用されていたわけではなく、護衛の名目で監視役の白人兵がつきそっていた。
  まるでジョン・ウーの「ウインドトーカーズ」だにゃ。
  MISは山本五十六の乗機撃墜にも関与しているんだよね。他にも日本兵に対し、投降するよう説得する任務も負っていた。
  「MCあくしず」には絶対載らない話だにゃあ。
  戦後、彼らは通訳としてGHQに同行。日本の親戚に米国から救援物資を送る窓口になった。すずきじゅんいち監督は2011年3月から撮影を始めるんだって。
  戦後史を変えかねない作品ににゃるかもにゃ。
  意外な事実と言えば東条英樹、松岡洋祐らが日系人達に対し、手紙や講演の形で米国に中性をつくすよういっていたのも意外だね。
  日本人という民族ではなく、国という“主君”仕えろって事かにゃ。


  今年も残りわずか。ついでだから2010年のベストワーストを並べるね。
  本当ならベストワーストだけでやるはずだったのに……。小夜ちゃんがぐずぐずしてるからにゃ。
  もー、ミケったら蒸し返さないでよ~。まずはワーストから。



 1 3DFURUSATO 空から見た世界遺産
 2 ビューティフル・ボーイ
 3 エッセンシャル・キリング
 4 ハンズ・アップ
 5 ザ・ロード
 6 ヤクザガール
 7 アサルトガール
 8 パラノーマル・アクティビティ
 9 ウルトラマンゼロ THE MOVIE 超決戦! ベリアル銀河帝国
 10 SPACE BATTLESHIP ヤマト


  あれ、聞き覚えのあるタイトルが……。
  ね? ついででやったのはワーストに3本も東京国際映画祭で観た映画が入っていたからよ。
  8~10位もブログでやったにゃ。
  うん。いい作品より駄目な作品の方が話が弾むからね。
 じゃ次はベストよ。



 1 クロッシング
 2 告白
 3 ヤギと男と男と壁と
 4 インセプション
 5 アウトレイジ
 6 インビクタス 負けざる者たち
 7 イヴの時間 劇場版
 8 十三人の刺客
 9 プリンセスと魔法のキス
 10 フォースカインド


  1位の「クロッシング」は警官達を描いたアメリカ映画じゃなくて脱北者を描いた韓国映画の方ね。
  あれは凄かったにゃ~。
  うん。2位の「告白」はストーリー、演出共にずば抜けた中島哲也の最高傑作。「クロッシング」がなければ間違いなく1位だった。
 4位の「インセプション」はとにかくヴィジュアルが凄い!
 6位の「インビクタス 負けざる者たち」、実はウチらラグビーの事は全然知らないから楽しめないんじゃないかって不安だったんだよね。
  でもクライマックスの試合はそんな事は関係なしに燃えたにゃ!
  それって凄い事だよね。
 「フォースカインド」は再現ドラマとフェイク映像を組み合わせたオカルト系フェイクドキュメンタリー。完成度では上回る映画はあったけど、手法の斬新さを買って10位に。


  今年もいろいろあったねー。
  ブログでやりたかったけどタイミングを逃しちゃった事が多かったにゃ~。
  ウルフェスや「W」の終盤ができなかったのは本当に残念。
  それもこれも小夜ちゃんのせいにゃ!
  え~、そんなぁ~。ウチだけのせいじゃないよ。都条例改正案さえなければ……。
  あー、あれで結構時間を取られちゃったもんにゃ~。
  結局通っちゃったもんね……。あれこそワーストだわ!
  来年はいい事があるといいにゃ。
  そうね。それじゃあ……。
  皆様、よいお年を!!

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tag : 映画 ベスト ワースト 442

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