「どらごにっく★あわー!~竜を退治するだけの簡単なお仕事です~」 その2 メールゲームって何? 後篇

 豊橋ミケ(以下猫) 小夜ちゃん、前回から何日経ってると思ってるにゃ!?
 九条小夜子(以下九) あ~ん、ごめんなさーい。
  こういうのは日を置くと訪問者の関心が離れちゃうにゃ! 「プライミーバル」だってそうにゃ。書く書くっていっておきながら第2回が放送された今も書いてないにゃ! 罰として小夜ちゃんのふたなってるところを……。
  それは許して!

 えーと、メールゲームが何故衰退してしまったか、前回の引きでも書いたけど、長所が致命的な欠陥になってしまったとウチは考えているの。
  メールゲームの長所というと皆でプレイするってところ?
  そう。それだけじゃわかりにくいだろうから少し説明するね。
 メールゲームの長所は自由度の高さと影響力の大きさ。
  それは前回でもいってたにゃ。
  そう。確か「当然字数は限られているから誰かがめざましい活躍をすればそうでない人の出番は削られる。」っていったよね。
 実際、強い影響力を発揮できるのはごく一握りのプレイヤーだったの。平均的なプレイヤーはリアクションで台詞があればいい方だったんじゃないかな。中には没続きの人もいたはず。
  皆が皆メールゲームの醍醐味を味わえたわけじゃないんだにゃ。
  その通り。
 ネットゲームは他のゲームと比べて金がかかる。だいたい一つのゲームを完走するのに1万5000~2万円くらいかかってしまう。さらに他のプレイヤーと情報交換や打ち合わせをするために通信費やコピー代もかかる。
 これだけの手間と金を費やしてもリアクションで一言台詞があるかどうか。ひどい月には没もありえる。
  つまり敷居が高すぎたんだにゃ。
  そういう事。
 必ず投資に見合った利益を受けられるとは限らない。その点、メールゲームは株やギャンブルと同じ。活躍できないのはその人の知恵と努力が足りないせいだという意見もある。確かにウチも一理あると思う。思うけど、割に合わないと思う気持ちもわかる。
 さらに当時からマスターの技量不足が指摘されていた。
 メールゲームのシステムって言うは易し行うは難しの見本みたいなもので、スキルの高いマスターに会えれば幸運。そういうマスターはゲーム開始前に練ったシナリオに固執しないで、柔軟な対応ができる。
 でもスキルの低いマスターに出会ってしまったら悲惨。シナリオ通りに話を進めようとするあまり、構想を崩しかねないアクションを没にしたり、不公平なジャッジを下したりしたの。
 例えばある二大勢力が対立していたとするじゃない。マスターとしては悪の勢力に勝ってほしい。ところがアクションを見ると善の勢力の方が勝ちそう。そこでマスターは武器の調達などで悪の勢力には緩く、善の勢力には厳しく判定したの。後はNPC。悪の勢力のNPCをやたらと強くしてプレイヤーキャラクターでは絶対勝てないようにしたり、悪の勢力にだけ金銭等を支援する“黒幕”を用意したりとかするのよ。
  えこひいきだにゃ。
  そうそう。ウチの説明でピンとこない人はミケの台詞を読んでね。
 当然不満を持つプレイヤーが出てくる。中にはそんなプレイヤーに対し、「自分の思い通りにいかないからといって駄々をこねるガキのようだ」と公言するマスターもいたの。
  あちゃあ……。そんなんじゃ離れていくのは当然だにゃあ。
  良心的なマスターでもスキルが低くて、リアクションがつまらなければ結果は同じ。メールゲームはハイリスクローリターンだったのよ。
 また中途退場しやすく、中途参加しにくいのも問題だった。
  中途退場はわかるけど、中途参加が難しいってどういう事?
  参加申し込みをすればスターティングマニュアルが送られてくる。初めの2、3回くらいならまだしも折り返し地点となるとスターティングマニュアルの世界設定とだいぶ事情が異なってくる。
  つまりついていけないって事だにゃ。
  そう。もちろん既に参加している人と連絡をとって情報収集すればいいかもしれないけど、「今月から参加しました○●です。すみませんが、今までの経緯を知りたいのでお手数ですがお持ちのリアクションの全てのコピーをいただけないでしょうか?」なんて言えると思う?
  べ、別に全てのリアクションを読まなくても要点だけ教えてもらえば……。
  ま、確かにウチのいった例は極端ね。それに最初のアクションは情報無しの状態で始めなければならない。
 第1回から参加していたとしても古参プレイヤーに対し、新人プレイヤーは圧倒的に不利だった。
  え? 第1回なら情報量は同じはずにゃ。
  それが違うんだな。これから仲間を探さなきゃならない新人プレイヤーと比べ、古参プレイヤーは過去のメールゲームで培った人脈がある
  あ、そうか! 新人プレイヤーには無理だけど、古参プレイヤーなら第1回から集団でアクションをかけられるにゃ。
  そういう事。今のはナイスサポートね。ご褒美に後でウチのふたなってる所で可愛がってあげよう!
  ノーサンキューにゃ。
  冗談はこれくらいにして、メールゲームはその性質上金と時間がかかる。学生の頃はまだいいとして、社会人になってしまうと時間の都合がつかなくなる。何とか時間を捻出したとしても、昔のようにはいかない。
  結婚なんかしたらなおさらにゃ。
  (身体をくねらせて)ああん、もお! 今日のミケってばナイスサポート! ウチのふたなってる所が反応しちゃうぅん!
  (眉をつり上げて)……小夜ちゃん、一体どうしたにゃ?
  (伏し目がちになって)……いや、このブログを読み返してみたら、ウチのふたなりっていう設定がわかりにくいっていうか、活かされていないよーな気がして……
  ブログでセクロスはできないにゃ! タイトルにも小夜ちゃんがふたなり眼鏡っ娘だって事はちゃんと書いてあるし、 第一そんなもの誰も期待してないにゃ。
  そ、そうだね……。えーと、どこまで話したっけ?
  社会人になったらどうこうってとこにゃ!
  そうそう。
 新規参入者に不利なまま古参プレイヤーが卒業していく。そんな状況が続けば先細りは免れない。

  なるほどにゃあ。プレイヤー、マスター双方に原因があったんだにゃ。
  もちろんこれはウチの推理であって、実体とは違うかもしれない。「俺はこう思う」という人はどんどんコメントしてね。

  さて、そういえばあたしも小夜ちゃんがふたなりだって事、忘れかけてたにゃ。
 (獲物を見る肉食獣の眼で)今夜は朝までその事を思い出させてもらおうかにゃあ……(舌舐めずり)。
 九 助けてー!!!
 
スポンサーサイト

テーマ : ゲーム
ジャンル : ゲーム

「どらごにっく★あわー!~竜を退治するだけの簡単なお仕事です~」 その1 メールゲームって何? 前篇

 九条小夜子(以下九) まず最初にメールゲームの説明をした方がいいね。
 90年代に行われたゲームなんだけど、一言でいうと郵便を使った集団RPG。
 豊橋ミケ(以下猫) オンラインRPGの郵便版といいたいところなんだけど、実際はかなり違う。
  うん。オンラインRPGはその世界の一住人として生活するという感覚なんだけど、メールゲームは物語の登場人物になれる。コンシューマーゲーム機のRPGとTRPGの違いといえばわかりやすいかな?
  それはそれで誤解を招くにゃ。
  そうね。コンシューマーゲーム機のRPGの場合、主人公は自分だから当然物語を左右する力を最初から持ってる。でもメールゲームはそうじゃない。物語を左右する力はプレイヤーが知恵と努力でつかみ取らなければならない。
  そのために人脈を広げて情報を集め、頭を絞って他より抜きんでた行動をとらなければならない。
 オンラインRPGはまだ自由度が高いけど、自分のアイデアでゲーム世界を変えるような事はできない。その可能性を秘めているのがメールゲームだにゃ。
  具体的な例を挙げるね。
 オンラインRPGやコンシューマーゲーム機のRPGの場合、用意されていないアイテムは使えないじゃない? でもメールゲームは違うのよ。
 管理人が「朧月都市」ってメールゲームで実際にやった事だけど、酸性と塩素系の洗剤を混ぜて塩素ガスを発生させたの。
  ……あー、それはさすがのメールゲームも今では駄目かもにゃあ~。
  まあ、最後まで聞いてよ。「朧月都市」は現代日本が舞台だけど魔法使いも存在してるって設定なの。で、風を操る魔法使いと協力して、敵の所にだけガスが流れるようにしたのよ。
 オンラインRPGじゃこんなことできないでしょ? 
 他のプレイヤーと共同で行動できるのもメールゲームの強みね。今では当たり前になっちゃったけど、90年代ではメールゲームにしかできなかったのよ。

  大雑把な手順を説明すると、まずプレイングマニュアルに目を通して自分のキャラクターを作成。ゲームにもよるけどTRPGの次に自由度が高いの。
 たとえば外見は世界観の範囲内なら自由にデザインできる。オンラインRPGの場合、どんなに選択肢が多くてもプレイヤーがデザインしたオリジナルの衣装は無理でしょ?
  さすがに著作権にひっかったり問題を引き起こしそうな設定のキャラは受け入れられないにゃ。
  で、ゲームの世界の中で自分のキャラをどう動かしたいか、それを文章にして送る。これをアクションっていうのね。
 アクションはマスターという人の元に送られる。マスターは一つ一つのアクションに目を通し、アクションの結果を小説にしてプレイヤーに送る。これをリアクションというの。
 リアクションは皆同じじゃない。キャラクターが所属する陣営や地域、直面している事態によって異なるどころか、同じ地域、陣営、同じ事態に直面していてもアクションによっては違うリアクションが届く。
  謎の核心に迫ったり、MVPものの活躍をした人とかだにゃ。

  プレイヤー全員に個別リアクションを送っていたゲームもあったけど、原則複数人あてにB4サイズで3~4枚。当然字数は限られているから誰かがめざましい活躍をすればそうでない人の出番は削られる。
  でもそれは仕方ないにゃ。リアクションは小説、物語だにゃ。登場人物に均等に見せ場が割り振られる物語なんて無理だにゃ。
  でもその活躍は自分だけのもの。自分のキャラクターの行動がゲームの流れを変えた時の達成感なんて、コンシューマーゲーム機では絶対に味わえないよ!!
  具体例があるといいにゃ。
  そうね。リアクションにプロのてによるイラストがついている事もあれば、リアクションが漫画になっていたゲームもあった。管理人は両方とも参加していて、自分のキャラクターがイラスト化されたり、漫画に登場したそうよ。
 自分のキャラクターが絵という明確な形になるのは嬉しいじゃない。
 これってメールゲームでなければありえない事よね。

  リアクションには登場キャラクターのリストがあって、中には連絡先を公開している人もいた。
  今では考えられないかもね。
 その人達に手紙を送って、意見や情報を交換しあったり、共同でアクションをかけたりした。
  マスター側が仲介してくれるゲームもあったから連絡先を公開していなくても孤立する事はなかったにゃ。
  今オンラインでやっている事を文通でやっていたのよ。
 後でいうけど、実はそれって諸刃の剣だったのよね。

  88年に遊演体が設立、91年の「蓬莱学園の冒険」でブレイクした。
 それに刺激されてホビー・データ、不動館、M2、GODDESSレーベル、AISquareなどのメールゲームメーカーが相次いで設立されたにゃ。
  だがしかし、90年代後半になると早くも衰退し始めた。今残っているのはM2、テラネッツと名前を変えた不動館、遊演体のマスターが集まって作ったエルスウェアぐらい。
 いずれもメールゲームを主戦力にはしていない。
 何でこうなってしまったのか?

 ここから先はウチの推測になるけど、メールゲームの長所が致命的な欠陥になってしまったと思うの。
 

テーマ : ゲーム
ジャンル : ゲーム

最新記事
カテゴリ
最新コメント
一読の価値あり!
FC2ブログランキング

FC2Blog Ranking

グーバーウォーク
ブログ内容の分析結果で謎の生物グーバーが産まれ、このブログの今を表します。
検索フォーム
投票ボタン
blogram投票ボタン
QRコード
QRコード
ツイッター
月別アーカイブ