古書という名のタイムカプセル

 九条小夜子(以下九) ミケミケ、これ、東武線の浅草駅でやってた古書店市で見つけたんで買ってきたよ~。

東武浅草駅の古書フェアで買った本

 豊橋ミケ(以下猫) ま~た無駄づかいして……。
  必要不可欠かっていったらそうじゃないんだけどウチは貴重なものを買ったと思うよ。
  どこが貴重だにゃ。横溝正史の金田一シリーズにゃんて今でも買えるにゃ。
  いやいや、それがそうじゃないんだよ。今の金田一シリーズって単色の背景に漢字一文字のシンプルな表紙に変わっちゃってるんだ。
  嘘っ?
  本当だよ。検索してみればすぐに出るからやってみ。
  あ、本当だ。でもシンプルにゃイラストの表紙もあるにゃ。
  え? あ、本当だ。でもやっぱ金田一シリーズの表紙っていえば昭和のおどろおどろしい絵に限るよね。
  そ、そうかにゃあ……。
  こう思ってるのはウチだけじゃないよ。金田一シリーズを紹介するブログで本の画像を載せてる場合、今の表紙じゃなくて昭和の表紙の方を載せてるとこが多いんだ。長谷川博己主演の「獄門島」が放送された時にNHKBSで放送された特番でも昭和の表紙の本を使っていたしね。
  ふ~ん、やっぱり皆昭和の方がいいのかにゃ。
  今の表紙はスタイリッシュだけどインパクトが薄いもんね。それに比べ昭和の表紙は泥臭い一方強く印象に残る。女の子の中には抵抗を感じる人もいるだろうけどね。
  損してる面がある事は否定しにゃいんだにゃ。
  なんかいかがわしさも感じられるしね。
 名前が出たついでに長谷川博己の「獄門島」の話をしよう。
  ……。
  そんなに長くないから。
  先月再放送してたにゃ。
  BSでもゴールデンタイムに再放送って結構珍しいんじゃない? それだけ評判がよかったって事かも。
  今までの金田一耕介とは随分違ったにゃあ。
  今までの金田一耕介像って市川昆版「八つ墓村」のパンフで大槻ケンヂが書いていた通り“名僧”なんだよね。犯罪は許さないけど犯人を責めるわけじゃない。むしろ犯人にも理解を示す。
  映像化された作品の犯人って欲得ずくじゃにゃくてやむにやまれぬ事情で罪を犯す人が多いもんにゃあ。
  原作だと欲得ずくの人もいるんだけどね。
 原作の金田一も人格者としての態度は崩さない。それに比べると長谷川博己の金田一っていい方は悪いけど攻撃的。
  犯人を嘲笑い、罵る金田一って初めて見たにゃ。
   「ご苦労様でした。ざまあ見ろ!」だもんね。
 あのシーンの了然和尚って全ては死んだ鬼頭嘉右衛門のせいで自分は悪くないみたいな言い方をした挙句、せっかく俳句を書いた屏風というヒントを出してやったのに事件を止められなかった金田一も悪いみたいな事まで言い出したからね。ああ言いたくなる気分もわからないではない。
 金田一が何故犯罪捜査に関わるのか、その事に言及しているのも初めてじゃないかな? 原作では人間心理の探求って風に説明していたけど。
  長谷川博己版の「獄門島」では二種類の説明をしていたにゃあ。
  留置所での幻影に対する説明は原作に近くて、犯罪者の心理に興味があるって言っていたけど、事件解決後、早苗に対しては「今を生きるわけが欲しかった」と言っている。幻影の質問に対しては目をそらして答えていたけど、早苗には真正面から相手の眼を見て告白していた。
  本心はどっちかにゃ?
  長谷川版「獄門島」は今まで一番島の閉鎖性が強く出ていたね。原作でも閉鎖的とか恐ろしい島とかいわれているけど、実際に行ってみると島民は結構気さくな人達として描かれているんだよね。
  そうそう。皆愛想いいんだよにゃ。
  長谷川版「獄門島」の島民達って愛想のかけらもない。鬼頭家について金田一が尋ねた時のつっけんどんな対応って今までには無い描写だった。
  あと三姉妹の父である与三松の事を初めは隠していたのも斬新だったにゃあ。
  あれは盲点だった。考えてみれば身内に精神疾患の者がいたら隠して当然だよね。今だってあまりいいイメージじゃないんだから昔はもっとひどかったはず。でも今までの「獄門島」では自発的に言い出したりはしなかったけど、隠してもいなかった。訊かれると眉をひそめながらもペラペラしゃべっちゃう。
  これほど探偵がやり易い島もにゃいにゃ。
  ちっとも閉鎖的じゃない(笑)。
  ちっちゃい頃からそれを観てきたからそれが当たり前だって思うようににゃってたにゃ。
  そうそう。長谷川版「獄門島」はそんな金田一シリーズの既成概念をぶち壊して新しい金田一像の創造に挑んだ意欲作だった。さっきもいったけどゴールデンタイムでの再放送が実現した辺り、結構好意的に受け取られたんじゃないかな。
  金田一が東京からの電報を受け取ったところで終わりだったにゃ。
  その文面が「悪魔ガ来タリテ笛ヲ吹ク」。金田一シリーズを知ってる者は次回予告とわかるけど知らない人はどう思ったんだろうね?
  作中人物にはにゃんの事だか絶対わからにゃいよにゃ。
  あれでわかったら推理を超えて超能力だよ。
 ウチが買ってきた本の中に「犬神家の一族」があったよね?
  唐突に戻したにゃ。
  実はその中にこんなものが挟まっていたんだ。

とじ込みチラシ表 とじ込みチラシ裏 しおり

  えっ!? これって公開当時のチラシとしおりかにゃ?
  奥付を見ると昭和51年(1976年)10月25日の発行ってなってるからそうみたい。

奥付

  ひょっとしてお宝?
  いや、どこかの誰かが「八つ墓村」の所に線を引いちゃったから価値はゼロだね。売っても二束三文だと思うよ。
  ……あ~あ。
  そんなにガッカリしないでよ。
  劇場リストを見ると今はもう無い劇場が多いにゃあ。新宿ビレッヂとか蒲田プラザ、日比谷映画劇場にゃんて聞いた事もにゃいにゃ。
  何いってんのよ、ミケ。日比谷映画劇場ならウチら行った事あるじゃない。
  え?
  覚えてない? 小っちゃい頃そこで「ガメラ 大怪獣空中決戦」と「ガメラ2 レギオン襲来」を一緒に観たじゃない。
  え、あれが日比谷映画劇場にゃの!?
 九 そうよ。チラシが古いから日比谷映画劇場がなくなったのも遠い昔みたいに思ってるみたいだけど、日比谷映画劇場が閉館したのは2005年なのよ。
  最近とはいえにゃいにゃ。
  それでもウチらと同時代といえる。今はシアタークリエになってるんだよ。
  へ~。
  紙と電子、どっちが優れているかって事じゃないんだけど、今回みたいなサプライズは電子書籍じゃ無理だね。
  そもそも電子書籍にチラシはにゃいもんにゃ。
  どんなに古くなっても変わらない。そこが電子書籍のメリットでもあるんだけど。
 古いといえば「獄門島」、執筆されたのが昭和22年(1947年)だからか、今では死語になった言葉が数多く使われている。
例えば床屋の清公を紹介する件で出てくる「スフの入った」。これ、混ざりものがある、純粋じゃないって意味だってわかる?
  全然わかんにゃい。そもそもスフって何にゃ?
  人造の絹糸の事で、ステープル・ファイバーを略してスフって呼んでたの。レーヨンって呼び名の方が一般的かな。「獄門島」での使い方を見ると他の繊維と混ぜて使われていたみたいだね。
  「ウルトラマン」のスフランとは何か関係あるのかにゃ?
  さぁ……、多分関係無いと思うよ。
 中でも一番厄介なのが「おんもらとした」。検索しても出てくるのは陰摩羅鬼や怪談ばかりでさっぱり意味がわからない。前後の文脈から判断すると「妖艶な」みたいな意味だろうとは思うんだけど……。
  陰摩羅鬼の陰摩羅じゃにゃいの?
  それがウィキペディアによると「仏教で悟りを妨げる魔物の摩羅(魔羅)に『陰』『鬼』の字をつけることで鬼・魔物の意味を強調したもの、もしくは障害を意味する『陰摩』と『羅刹鬼』」の混合されたものとの説がある」との事で、偶然読みが同じなだけで関係は無いみたい。
  え~。
  古典文学みたいに横溝正史シリーズにも注釈をつけなくちゃいけないかもね。お願いします、角川さん!
  わずか70年でもう古典だにゃんて……。
  考えてみれば横書きの表記も戦前と戦後で変わっちゃったし、明治の頃は今よりもかなの数が多かったって聞くな。日本語って変化の激しい言語かもしれない。
  ギャル語なんて今じゃ誰も知らにゃいもんにゃ。
  流行語は論外としてもら抜き言葉ややばいの使われ方等10年単位の間でも変わってきているもんね。
案外70年後の日本人が偶然ウチらのブログを見つけて読んでも全然理解できないかもしれないよ。



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急いてはプラモを作り損ねる!!  バンダイメカコレクション ジェットビートル&「劇場版ウルトラマンオーブ 絆の力、おかりします!」

 九条小夜子(以下九) はぁ……できた。

 ビートル隊用ジェットビートル

 豊橋ミケ(以下猫) やっとできたにゃ! それじゃ5月最初の「小夜ミケのネタころがし」は「劇場版ウルトラマンオーブ 絆の力、おかりします!」だにゃ。
  だねぇ……。
  ? 小夜ちゃん、せっかくプラモが完成したのに何かテンション低いにゃ。
  できたといえばできたけど、失敗作よ……。
  え……?
  気分を変えたいから映画の方から入るね。
  えーっ!?


  田口清隆監督の前作「劇場版ウルトラマンX きたぞ! われらのウルトラマン」は「キングコング対ゴジラ」みたいな明るく楽しい怪獣映画を作ろうとして失敗していたけど、今度の「劇場版ウルトラマンオーブ 絆の力、おかりします!」でその意図はようやく成功したといえる。
  甚大な被害が出てる点は変わらないけど、今度は温度差が感じられにゃかったもんにゃ。
  そう。もしも敵がデアボリックだけだったらこうはならなかっただろうね。
  コミカルな宇宙人達が矢面に立ったから久しぶりに明るい怪獣映画に仕上がったにゃ。
  世界を宝石にしようというムルナウが前面に出ていたら「劇場版ウルトラマンX」のように温度差が生じていたかも。宇宙人達のキャラクターに救われたといってもいい。
 その宇宙人の中でも群を抜いていたのがガピヤ星人サデス。かつてオーブと戦い、その結果身体の半分以上を機械にしていて、出てきた時はその恨みでガイに挑んできたのかと思ったけど、すぐに昔の事はどうでもよくて、この人は今やっている戦いにしか興味が無いんだってわかった。
  その興味の持ち方もよくあるニヒルな感じじゃにゃいんだよにゃ。
  まるでカリカチュアされた松岡修三かルー大柴。最期の瞬間までこのテンションを保ち続けたのは素晴らしい。
  真っ二つにされたのに「ハッピー!」だもんにゃあ。
  コミカルな断末魔っていうのは戦隊シリーズじゃ珍しくもないけど、サデスほど突き抜けてるヤツはいない。
  自分の死までも全肯定だもんにゃあ。
  声優が山寺宏一だった事も大きいね。彼じゃなかったらここまでカッ飛んだキャラクターにはならなかったと思うし、山寺宏一以外のサデスなんて考えられない。ウチにとっては銭型警部以上のハマリ役だよ。
 サデスは17年のベストキャラクターに入るね。
  さてそれじゃあプラモの方に入るにゃ。
  ……うん、そうだね。


 見ればわかると思うけど、バンダイから出ているメカコレクションのジェットビートルに「ウルトラマンオーブ」に出てきたビートル隊のゼットビートルを模して塗装したの。
 キットを買ったのは昨年の秋頃で、「ウルトラマンオーブ」終了に合わせてか、年賀状用の画像に使おうと思ってたんだけど完成させられなくて……。
  そこで劇場版の公開に合わせようとしたんだよにゃ。
  それも間に合わなかったけどね。
 塗装するまでは順調にいってたんだよ……。

 昭和にこういうキャラいたよね?

 上の画像は塗装前に仮組みしていた時に撮ったもの。アンテナがアホ毛に、機首のパーツを固定するためのピンが出っ歯に見えない?
  いわれてみれば……。
  昭和の漫画かアニメにこういうキャラがいたような気がするんだけど、名前が出てこないんだよね~。

 下地の黒

 模型雑誌等でシルバー等のメタリックカラーを塗る時は黒を下地にするとより光沢が出るって書いてあるのを読んだから、今回、試しにやってみたの。
  で、どうだったにゃ?
  確かにきれいなシルバーになった気がするよ。
  気がする?
  一手間かけたんだからよくなっているはず、そうであってほしいって気持ちがそう見せているような気もしちゃうんだよね。比較対象のために適当なパーツに違う塗り方をしておけばはっきりとした違いがわかったかもしれないんだけどさ、その時はそういう事、思い浮かばなくて。
  ヤマトの第三艦橋みたいにゃパーツは何にゃ?
  ああ、それね。最初はウチも何だかわからなかったんだけど、「怪獣墓場」でシーボーズをロケットに固定するためにワイヤーを撃ち込んだじゃない? その時のワイヤーを射出する装置よ。
  へー、よくそんにゃマイナーにゃものを再現したにゃあ。
  うん。メカコレのジェットビートル、完璧ではないけど値段のわりにはいいキットだと思うよ。銀と赤にパーツが色分けされてるし、翼の模様や窓などはデカールで再現できるようになっている。もっともこのデカールが曲者なんだけど。
  どういう事にゃ?
  それは後でいうね。
 ここまではスムーズにいったのよ。でもシルバーをスプレーした時からグダグダになってきた。
 最初のつまづきはスプレーを吹いた後、機首の先端に幅1ミリ、長さ2、3ミリ程の短冊状のゴミが付着していた事に気づいた事。翼の裏面とかならまだしも機首とあっては嫌でも目立つ。しょうがないからゴミを取り除いたあと、その部分だけ削って塗料を落とし、下地からやり直した。その結果がしたの画像よ。

 スプレーで銀を塗装

  あれ、第三艦橋がにゃいにゃ?
  あれね。実は支柱の部分がぽっきり折れちゃって……。油断していたね。もうちょっと太ければピンバイスで穴をあけてそこに細い針金を通して補強とかできたんだろうけど、それができる太さじゃなくて諦めるしかなかったんだ。
  そっかー。
  さらにトラブルは続く。ビートル隊仕様だからキットのデカールは使えない。それに青い部分の上には面倒なラインが走っている。
  帰ってきたジェットビートルだからかにゃ。
  20年ぐらいしたらジャックビートルになってるとか?
 幸い塗装に入る前に「宇宙船」のイヤーブックが出たのでカラーリングはそれを参考にしたよ。背面はわからないからそれは科特隊のビートルを参考にした。
  間違ってるかもしれにゃいにゃ。
  もうそんな事気にしてる場合じゃなかったんだよ。「宇宙船」のイヤーブックを見てびっくりしたんだけど、主翼と尾翼の先端に宇宙ビートルのロケットエンジンらしいものが付いているんだよね。というか宇宙ビートルのロケットエンジンをつなぐ板を外したのがゼットビートルなんだね。青いラインや先端が白くなっている事は放送中に気付いていたのに、何でこんな大きなものを見逃していたのか……。
 ちなみにゼットビートルって名前も「宇宙船」のイヤーブックで初めて知ったの。

ゼットビートル

  劇中じゃそんにゃ名前出てこにゃかったにゃ。
  渋川のおじさん以外にも人がいるのはわかったけど、地上戦力とか全く出てこなかったもんねぇ。
  劇場版にゃんか渋川のおじさんしか出てこなかったもんにゃあ。
  ウチなんかウルトラセブンが出るって聞いてたからビートルの代わりにウルトラホークが出てきたらどうしようって気が気じゃなかったよ。
 ちょっと話はそれるけど、切通理作の「怪獣少年の<復讐>」って本に著者と「ガンダムUC」の福井晴敏の対談が載ってて、そこで福井晴敏がウルトラヒーロー勢ぞろいはもうやっちゃったから次は歴代防衛隊のメカ総出演をやったらどうだって言ってるのよね。で、福井晴敏はそのアイデアを円谷プロに伝えたとも言ってるの。だから「オーブ」のTVシリーズにゼットビートルが出た時、すぐにその話を思い出して、劇場版で歴代防衛隊のメカを出すための伏線じゃないかって思ったんだけど違ったね。総出演どころか防衛隊は渋川さん一人だった。
  マガタノオロチ戦で力を使い果たしたか、責任を追及されて縮小されていたかもにゃ。
  トップが藤田進だったら間違いなく解散だろうけど。
  MATじゃにゃいんだから。
  青いラインは面相筆で描く自信がなかったので青の油性のサインペンで引いたよ。
  ご、強引に話を戻したにゃ。
  あまり色のバリエーションがなくて、機首からの青と合わなかったらどうしようって不安はあったけど、やってみたら意外と違和感無かったね。
 近くで見ると線がよれよれなのが丸わかりで不恰好なんだけどね。今思えばロケットエンジンが無いんだからゼットビートルとはいえない。だから「ビートル隊仕様のジェットビートルなんで青いラインはありません」って事にしちゃえばよかったんだけどね。
 不恰好といえば機体の青い部分。成形色やデカールには頼れないからマスキングの手間を惜しんでスプレーではなく筆塗りでやったんだけど、これがまずかった。
  ムラににゃってるにゃ。
  普通は塗料を適度に薄めて塗るらしいんだけど、そうると下の色が透けちゃうおそれがあった。それで少しでも隠蔽力を高めたいとビンの中のものをそのまま塗ったのよ。
 4月中に完成させようとして台無しにしちゃった。
  映画はもうとっくに終わっていたんだから焦る事にゃかったにゃ。現にこのブログを更新したのだって5月にゃんだし。
  ミケのいう通りだよ。そもそももっと早く作っていれば……。
  小夜ちゃん、そういえばデカールがどうとかいってたけど、どういう事にゃ?
  そうそう、デカールとえいばこれも失敗だった。組み立ててから貼ればよかったって後悔しているんだ。
  どういう事にゃ?
  主翼や尾翼の塗り分けはともかく下面の白い部分とか胴体側面の番号とかはキットのデカールでやったんだけど、これが脆いのよ。組み立てる前に貼ったウチも悪いんだけどね。下面なんか組み立て中に押した拍子に破れてぼろぼろになっちゃった。これ、乾く前じゃなくて乾いてからの話だからね。慌ててそこをつや消しホワイトで塗ったけど凄く汚くなっちゃってね、とても見せられたものじゃないよ。
  でもそれって小夜ちゃんのミスじゃにゃい?
  今日まではそう思ってた。思ってました。
 一昨日、ブログ用の写真を撮影したのね。その時は気づかなかったけど胴体のSIIIってデカール、反対側のものがはがれかけてたのよ! 昨日、ブログに使うものを選んでいる時に気付いたのよ。えーって思ったね。
  デカールってそんにゃに脆いものにゃの?
  ウチも同じ事を思ってるよ。ウチのイメージではもっとしっかりしたもの、押したくらいじゃ破れないって思ってたんだけどどうやら違うらしい。願わくばウチがたまたまそういうデカールを“つかまされて”しまったって思いたいね。
  他にもデカールを使うキットあるもんにゃあ。

    

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17年は「ウルトラマンジード」!

 九条小夜子(以下九) なるほどなぁ~。
 豊橋ミケ(以下猫) 小夜ちゃん、何に感心してるにゃ?
  ウルトラシリーズの新作が発表されたのよ。
  ああ、「ウルトラマンジード」だにゃ。

ウルトラマンジード速報

  何と彼は悪のウルトラマンであるウルトラマンベリアルの息子なんだって。それで合点がいったのよ。
  どういう事?
  今やってる「ウルトラマンゼロ THE CHRONICLE」はこのための布石だったんだなーって。
  にゃるほど。ベリアルと一番多く戦ってきたのはゼロだもんにゃ。彼の活躍を追えば当然ベリアルの事もにゃぞることににゃるにゃ。
  そういう事。
 ジードは父親が悪の化身って十字架を背負っているわけで、彼に葛藤を強いる結構ハードなストーリーになると思う。
  PVを観たけど「親は親、俺は俺。関係ない」って感じじゃにゃくて、親子対決を思わせる内容だったにゃ。
  「ウルトラマンオーブ」の第12話から第17話は自分の中の攻撃性や破壊衝動を認め、どう折り合いをつけていくかって話だった。ぶっちゃけ「ジード」の前半はそれを深化させたものになるんじゃないかな。
  前半?
  「オーブ」では闇といっていた自分の中の負の面を克服した証として最終フォームになるときれいにまとまると思うんだけど。
 それとベリアルの息子を主人公にしたんだから親の仇であるゼロとの絡みもあるはず。
  前半、ノルマが多くて大変だにゃ。
 今までは一話完結方式だったけど、「ジード」は「ネクサス」みたいに連続性の強い構成ににゃるのかもしれにゃいにゃ。
  シリーズ構成にいきなり特撮初挑戦の乙一を迎えているくらいだもんね。今回の円谷プロは攻めの姿勢だよ。それぐらいのチャレンジはありだと思うね。
 変身アイテムのジードライザーを見るとXやオーブのように過去のウルトラマンの特徴をジードも持ち合わせているみたいだね。

変身アイテムジードライザー

  旧作のヒーローにもスポットが当たるいい設定だもんにゃ。「オーブ」だけじゃもったいにゃいにゃ。
  ジードの人間体である朝倉リクを演じるのは若干16歳の濱田龍臣
  あれ? 濱田龍臣って確か……。
  そう。「ウルトラマンゼロ THE MOVIE 超決戦! ベリアル銀河帝国」にナオ役で出演していたの。
  それって……。
  うん、息子と親の仇の一人の両方を演じる事になる。日本芸能史でもかなり珍しい事例じゃないかな?
  朝倉リクが地球人として育ったのか、地球人のふりをした宇宙人にゃのかはまだわからにゃいけど、どっちしろ何故地球に来たかが気ににゃるにゃ。
  ベリアルが地球に来た事は無いから朝倉リクが地球で産まれたって事は無いと思うな。子供を作る時間があったとしたら「銀河帝国」の時しかないから地球人のふりをしている宇宙人って設定になると思う。
  「ウルトラマン列伝」の新撮パートで復活したんじゃなかったっけ?
  「ウルトラマン列伝」は確かに円谷公認だけど、新撮パートをオフィシャルって考えるのはどうかと思うな。
 まあ朝倉リクの素性についてはTVシリーズで明かされるし、何の手かがりもない状態で議論しても無駄だと思うよ。7月の放送スタートを楽しみに待とう。
 でも現時点で確実に間違いないといえる事が一つある。
  ? それは何にゃ?
  母親は出てこないって事。ゼロもそうだったしね。
  アンヌではありえにゃいだろうけど、他の女だったらオールドファンが起こるもんにゃあ。


  



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tag : ウルトラマン ジード ベリアル ゼロ 濱田龍臣 オーブ

「キングコング 髑髏島の巨神」関係者の皆様、すいませんでしたーっ! #人類よ立ち向かうな  #キングコング映画

 キングコング 髑髏島の巨神

 豊橋ミケ(以下猫) 謝罪から始めたのは前にもあったけど、タイトルが謝罪にゃのは初めてじゃにゃいかにゃ?。
 それにしても小夜ちゃん、「応募してないんだけど……」じゃ観に行くのやめよっかにゃ~みたいにゃ事いってたけど結局観に行ったんだにゃ。
 九条小夜子(以下九) う、うん。
  思い出したかにゃ?
  2週間経つか経たないかだからね。そりゃ忘れないよ。それに日本じゃキングコングってメジャーじゃないじゃない。
  だにゃあ。
  イオンシネマのやった事は今も問題だと思ってるよ。でもそれと映画そのものは関係ないからね。「応募してないんだけど……」じゃいい過ぎたかな~って反省してる。
 あらためて「キングコング 髑髏島の巨神」関係者の皆様、すいませんでしたっ!


  純度100パーセントの怪獣映画だったにゃあ。
  そう、ミケのいう通り怪獣以外は何もないといっていい映画だったね……ってこれけなしてない?
  怪獣バカ映画といえば……。
  ああ、それなら……ってそれいわれて喜ぶのって腹をくくった真性オタクだけだよ!
 「髑髏島の巨神」は従来の「キングコング」の島部分だけを描いたような作品だった。
  スカルクローラーはティラノサウルスやバスタドサウルスのポジションだにゃ。
  感心したのは「髑髏島の巨神」じゃ髑髏島の原住民を原始的ながら文化を持つ人々として好意的に描いている事。
  ピーター・ジャクソン版でも主人公たちを脅かす存在だったのににゃあ。
 キングコングを神と崇めている点は今まで通りだけど、生贄を捧げたりはしてにゃいんだにゃ。
  危険な野蛮人どころか友好的な隣人として描かれていた。「モスラ」のインファント島の原住民達に近いね。
 舞台はニクソンが決めたベトナムからの撤兵が始まった1973年。
  ヘリに飾ってあるニクソンの首振り人形がいいスパイスににゃってるにゃ。
  あれは印象に残るねぇ。
 印象に残るといえばタイトルロールにもなっている髑髏島。嵐に囲まれてなかなか上陸できないって設定なんだけど、そのビジュアルが「ラピュタ」の竜の巣の中に「地獄の黙示録」のベトナムを置いたって感じ。
  「地獄の黙示録」? ベトナムは島じゃにゃいにゃ。
  でもやたらと川をゆくじゃない。あれって源流は「地獄の黙示録」だよ。
 今までの「キングコング」は戦争とは無縁だったんだけど、「髑髏島の巨神」は太平洋戦争で墜落した日米のパイロットが争う中、キングコングと遭遇するシーンから始まるなど戦争が影を落としている。といってもゴジラみたいに核をめぐる葛藤とかは一切なく、ストーリーは怪獣が支配する島からの脱出に絞ったシンプルなもの。
  今までのキングコングより大きくにゃってるにゃ。
  ハリウッド版ゴジラと戦わせるための措置だね。それでも足りないけど。
  青葉クルミを食べさせるとか?
  それじゃ「ウルトラQ」のゴローだよ! そういえばゴローの着ぐるみは「キングコング対ゴジラ」のキングコングの首をすげ替えたものだったっけ。
  縁があるにゃあ。
  対戦前の根回しか14年の「GODZILLA」に出てきた組織モナークが随所に顔を出していて同じ世界の話だって事を印象付けてる。
  東京オリンピックよりこっちの方が楽しみだにゃ。
  ウチもだよ。
 あと、ピーター・ジャクソン版では巨大なゴリラだったけど、「髑髏島の巨神」のキングコングはゴリラではなく猿人なんだね。常に直立歩行で、ナックルウォークはしない。既知の生物が巨大になっただけではないって事だね。
  それもやっぱりゴジラとの対戦を意識しての事かにゃ?
  だと思うよ。でもあれじゃ大きすぎて人間とは絡みづらい。だから従来の「キングコング」が核にしていた“美女と野獣”的な要素は皆無に等しい。
  そんにゃ事にゃいにゃ。ヘリコプターの下敷きになっていた巨大水牛を助けようとしたのを見てから「髑髏島の巨神」のヒロインもキングコングにとって特別な存在ににゃっていたにゃ。
  どうだろう? ミケは特別というけど、ウチは変わった人間程度の認識なんじゃないかなぁ。
  でもキングコングは明らかにヒロインを守っていたににゃ。
  確かに。ただそれが過去作のような心境によるものか、ウチは疑問に思っている。
 この点、キングコングってゴジラとは好対照だよね。
 昭和ゴジラでは明らかにゴジラが子供を助けるシーンがあるけど、あれはシリーズを重ねるにつれヒーロー化した結果。最初のゴジラは足元の人間なんて気にもかけない超然とした存在なんだ。それはギャレス版ゴジラにも受け継がれている。
  でもゴールデンゲートブリッジやムートーとの戦いでは子供や主人公を助けてるにゃ。
  確かにミケのいう通りだけど、映画では結果的にゴジラが助けたように見えるよう描かれている。ゴジラが人間を意識しているかどうか、映画だけでは断言できないんだ。
 同じ神と見なされる存在でもゴジラは戦争や人間には制御できない自然の体現者であり、超越的な存在として描かれるキングコングはずっと身近な存在。
  自然の不思議って感じだにゃ。
  そう。巨大とはいえゴジラと違ってキングコングはウチら人類の延長線上にいるんだ。
  超能力とか持ってにゃいもんにゃ。
  だからこのままじゃゴジラとの対戦では分が悪い。というか勝負にならない。
 キングコングは米兵の銃弾を受けて血を流していたけどゴジラは至近距離で戦車の主砲を受けてもビクともしなかったからね。力の差は歴然。
  落雷を受けて帯電体質ににゃるから大丈夫にゃ。
  そりゃ昭和の話だよ!
 それはさておきエンドクレジットを最後まで観ないで帰っちゃった人がいたね。
  何も知らずににゃあ。もったいにゃい。
  マーベル作品みたいに次作への“フリ”があったんだよね。で、そこで出た壁画がどう見てもゴジラにラドンやモスラ、キングギドラ。
  次は「地上最大の決戦」だにゃ。

 ゴジラ続編記事

  三匹とも飛行怪獣なんだよね。戦闘シーンが似通っちゃわないか心配だな~。
  キングギドラは陸上でも戦えるにゃ!


  それにしても松竹は太っ腹だねえ。
  何でにゃ?
  だってゴジラって東宝のキャラ、それも看板キャラでしょ? 手放すと思う?
  確かにそうだにゃ。それじゃ「ゴジラ対キングコング」は……。
  譲歩しても共同配給だよね。
  松竹は東宝が配給する映画の宣伝をやっちゃったんだにゃ~。
  お気の毒様だね。


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tag : キングコング 髑髏島の巨神 ゴジラ ハリウッド

没後10年企画なのに…… 池袋・文芸坐 「実相寺昭雄特撮オールナイト 第2夜」

 九条小夜子(以下九) 3月18日に池袋文芸座で開催された「実相寺昭雄特撮オールナイト 第2夜」に行ってきました~。
 豊橋ミケ(以下猫) トークショーのゲストは上映作品を選んだ映画評論家の樋口尚文と「ウルトラセブン」のアンヌを演じたひし美ゆり子、後期実相寺監督作品に多く出た女優の三輪ひとみだにゃ。
  さらに実相寺作品の多くでカメラマンを務めた中堀正夫が途中から参加。実は上映作品に唯一関わっている人なんだよね。
  そういう事いわにゃいっ!
  三輪ひとみと実相寺昭雄の組み合わせといえば90年代に江戸川乱歩作品を映像化した「D坂の殺人事件」だね。
  三輪ひとみは小林少年を演じていたにゃ。
  ストーリーにはあんまり絡まないんだけど、嶋田久作演じる明智小五郎の“お稚児さん”なんじゃないかと邪推させるシーンがあったね。でも一番強く印象に残ったのは……。
  ラストシーンだにゃ。
  事件が解決した後、真田広之演じる贋作作家蕗谷が使っていた口紅を手に取り、紅をひく。映画は小林少年の意味ありげな微笑みを映して終る。
  その妖艶にゃこと!
  蕗谷は贋作を作る際、女装した自分自身をモデルにした。また、蕗谷は必ず贋作を二つ作り、一つを本物と称して依頼主に渡し、本物は破棄してしまうんだよね。実相寺版「D坂の殺人事件」は偽物の本物に対する屈折した想いを描いた作品でもあるんだ。ウチがいった事を踏まえてラストシーンを観ると、いろいろと想像をかきたてられるよね。
 ウチは「D坂の殺人事件」は実相寺昭雄の後期の代表作だと思う。
  小夜ちゃん、小夜ちゃん。
  ああ、そうだったね。危なく上映してない作品の事を延々としゃべり続けるとこだった。ありがとね。


 トークショーの前半はひし美ゆり子の独壇場。まずは円谷プロ成田亨が和解か? って話。
 発端は青森県の団体青森ねぶたウルトラノ會がウルトラセブンとエレキングのねぶたを青森ねぶた祭に出すために始めたクラウドファウンディング
 デザインの権利問題でもめて、長い間絶縁状態だったんだよね。円谷プロ成田亨の功績をなかった事にしようとした時期もあった。成田亨の著書「特撮と怪獣 わが造形美術」によると、円谷プロがやるはずだった演劇や万博絡みの仕事の三つか四つを成田が代わりにやったので円谷プロの怒りを買った事があったんだって。そういう事も影響してると思うよ。

 特撮と怪獣 わが造形美術

  「特撮と怪獣 わが造形美術」には90年代か80年代後半に当時の円谷プロ社長の円谷皐と満田かずほが新しいウルトラマンのデザインを頼みに来たんだけど、ギャラの面で折り合いがつかにゃくて流れちゃったって話も載ってたにゃ。
  その話を信じるなら少なくとも一度は和解のチャンスがあった。それも円谷サイドから話を持ち出した事になる。
  結局お金の話でダメににゃっちゃったけどにゃ。
  この問題、今でも変わってないんだよね。ウチはデザインは作品の成否を左右するものだからデザイナーにも権利を認めるべきって成田亨の主張はもっともだって思うんだけど。
  でも最初はダサーって思っていたデザインが観ているうちにかっこよく見えてくるって事もあるにゃ。
  確かにね。
  そうにゃるとデザイナーだけの功績とはいえにゃいんじゃにゃい? 演出や特撮作品ならデザインを立体化した造形作家やアクションを担当したスーツアクターにも功績があるにゃ。
  そうなるねぇ。
  そうにゃると彼らにも権利を認めにゃいと駄目にゃんじゃにゃいの?
  ミケのいう事にも一理あると思うけど、そうなると権利者が増えちゃって、一人当たりに入る額が激減しちゃうかもしれないよ。
  難しいにゃー。
 でもまずはめでたいにゃ。
  ひし美ゆり子が何度も冬木透って言い間違えてたのはご愛敬だけどね。
 ひし美ゆり子は円谷プロのサイトの文言から両者が和解したって言ってたけど、ウチはどうかな? って思ってる。
 彼女が和解の根拠にしているサイトの文章って実は円谷プロが書いたものじゃなくて、青森ねぶたウルトラノ會の公式サイトの文章を転載したものなんだよ。
 ねぶた祭にセブンとエレキングのねぶたが出れば円谷プロにとってもいい宣伝になるから悪い話じゃないし、成田亨との確執を理由に協力を断ればイメージダウンも考えられる。
 そういった計算がはたらいて、ねぶたにだけは協力することにしたのかもしれない。
  それじゃあ……?
  和解ムードは上辺だけかもしれない。
  そんにゃあ……。
  確かに昔の円谷プロだったら成田亨の名前は出さなかったかもね。転載とはいえ成田亨の名前と彼を讃える文章を公式サイトに載せたのは軟化の兆しかもしれない。


 続いてこれはあくまでも希望なんだけど、実相寺昭雄が監督した第12話「游星より愛をこめて」の封印解除にも話が及んだ。
 安藤健二の名著「封印作品の謎」によると、1970年、小学館の学習雑誌の付録のカードの絵柄の中に第12話に登場するスペル星人があった。その肩書は「ひばくせい人」だった。付録を見た娘からこの事を教えられたジャーナリストが被爆者差別ではないかと小学館に抗議したのが発端なんだ。この抗議が新聞に取り上げられて騒ぎになり、円谷プロは第12話封印したんだ。
  え、それじゃ作品は悪くにゃいの?
  そうなるね。そもそも「セブン」の放送は67年秋から68年秋までだし。
  作品に問題があるにゃら2年も経ってから騒ぎににゃるのはおかしいにゃあ。
  でしょ? 原因を作ったのは小学館で、円谷プロはとばっちりを受けたといっていい。
 数年前に被爆者団体が許すって趣旨の話をしているし、トークショーで知ったんだけど、原因であるカードを作った小学館も「もういいんじゃない?」と言ったうえに「50周年の今年に解禁すべきじゃないか」とまで言ってるらしい。
  こうにゃると後は円谷プロ次第だにゃ。
  まさにその通りなのよ。でも円谷プロがどう思っているかははっきりしてないの。
 誰かが「満田かずほが解禁は難しいと言っていた」と言ったけど、それは昔の話で、今は変わっているかもしれないし、そうじゃないかもしれない。
  何もわからにゃいんだにゃ。
  でもフィルムのデジタルリマスターはもう終わってるらしいよ。
  じゃあGOサインさえ出ればいつでも公開できるにゃ。
 そういえば第12話封印はキリヤマ隊長を演じた中山昭二も知らにゃかったみたいだにゃ。
  生前、ひし美ゆり子に「12話がどうかしたのか?」って電話で訊いたそうな。それで事情を話したうえでファンから贈ってもらったビデオをダビングしてあげたんだって。
  意外と知らにゃいもんだにゃあ。
  昔は今以上に特撮の立場って低かったからね。出演した事を封印しちゃう俳優さんもいたし、撮影、放送が終わったら後は我関せずって事も多かったと思うよ。
  ビデオといえば昔はダビングにダビングを重ねた結果、相当画質が低くなってしまったものが第12話というだけで高値で売られていたそうだにゃ。
  ひし見美ゆり子の元にはファンから贈られたハワイ版、北米版、ヨーロッパ版の第12話のビデオがあるんだって。
 ビデオデッキができる前に封印されちゃったから日本での本放送や再放送の録画が存在するとは考えにくい。円谷プロが保管していたフィルムが裏に流れたらしく、ひし美ゆり子が友達に渡すためにファンに頼んでダビングしてもらう時、出所は言わないで下さいって口止めされたらしいよ。
  12話に限らず会社から流出したって話は多いにゃあ。
  ウチは実物を見た事は無いけど、台本はおろか撮影用のマスクまで売りに出されていたって噂があるし、アニメだけどサンライズで内部の人がネット等に作品のネタバレ情報を流す事はよくあった。
  あたし達が観た12話もそんなビデオの子孫だろうにゃあ。
  幸いウチは買ったんじゃなくて友達から焼いたDVDをもらったんだけど、やっぱり画質は悪かった。でも今では画像編集の技術が進んで、プロじゃなくてもリマスターできるようになったので、裏とはいえ昔とは比べものにならない程きれいになっているんだそうよ。
  Youtubeで観れたりして。
  観られるかもしれないよ。画質の低いビデオを高い金を出して買った人はお気の毒さまだね。
  小学館じゃにゃいけど「ウルトラセブン」も今年で50周年。被爆者団体ももう問題ないっていってるんだから解禁してもいいんじゃにゃいかにゃあ。
  ほんと、そうだね。12話は作品自体には問題は無いんだから。ただ円谷プロには「怪奇大作戦」の第24話「狂鬼人間」もあるから……。
  森田芳光の「39 刑法第三十九条」を先取りしたヤツだにゃ。
  右翼団体も関わってるって噂もあって、問題の深さは第12話の比じゃない。今もなお関係者の口は固く、封印の過程には謎が多い。第12話を解禁すれば「狂鬼人間」に波及するかもしれない。それで円谷プロは難色を示しているのかもしれないね。
  やはり50年もやっていると暗い面もあるにゃあ。
  手探りでやってた時代だからね。過ちもあったろうさ。


 「怪奇大作戦」つながりでオールナイトの話に移ろう。
 オールナイトのトップバッターは「怪奇大作戦」の第4話「恐怖の電話」、第5話「死神の子守唄」、第23話「呪いの壺」、第25話「京都買います」では実相寺昭雄監督作品。「ウルトラマン」、「セブン」では見られなかった仏像や木造建築等への愛着が見られる。
 円谷プロつながりではトリを飾った「実相寺昭雄監督作品ウルトラマン」。監督作品には違いないけど、映画そのものにはあんまりタッチしてないんじゃないかな。
  何でそう思うのにゃ?
  BGMの使い方ね。怪獣との戦いの場面に主題歌や「ディスコウルトラマン」を被せるなんて実相寺昭雄らしくないじゃない。
 他には実相寺昭雄がパイロット版を担当し、卒塔婆攻撃や宇宙人を追って商店街を疾走する場面をゲリラ撮影した伝説の特撮番組「シルバー仮面」から第1話「ふるさとは地球」、第7話「青春の輝き」、第8話「冷血星人の呼び声」、第9話「見知らぬ町に追われて」、第10話「燃える地平線」の五話を上映。第1話は前回のオールナイトでも上映したんだけど、樋口尚文のたっての要望で今回も上映することになったんだって。
  あたし達は前回、都合が悪くて行けにゃかったから助かったにゃ。
  ウチらは「シルバー仮面」の伝説は知っていたけど、実際に観たことは無いからね。第1話といえば作品の基本設定を紹介する基礎編。観られるならそれにこしたことはないよ。
 で、第1話なんだけど、チグリス星人の着ぐるみが本当に燃えちゃって、撮影に支障をきたした事ややたら暗い画面が話題になっているけど、ウチは主人公の一人春日光三の言動が忘れられない。
  確かにあれは強烈だったにゃあ。
  「シルバー仮面」の初期は父が残した光子ロケットのエンジンをめぐる宇宙人と主人公の春日兄弟との戦いを描いている。
 光三はよくいえば血気盛ん、悪くいえば短気で思慮が足りないトラブルメーカーなんだ。
 彼のインパクトが強すぎてタイトルロールのシルバー仮面に変身する次男の春日光二や司令塔である長男の春日光一は影が薄い。
  妹はいつの間にかいにゃくにゃっちゃうしにゃ。
  いいのか、それで?
 第1話冒頭で早くもチグリス星人に家を破壊されてしまう春日一家。光三は人間に化けた宇宙人を見破ることができるサングラスで自分達を見張っているチグリス星人を見つける。
  喫茶店でコーヒーを飲んでたにゃ。
  光三は先手必勝とばかりコーヒーブレイク中のチグリス星人に殴りかかるが、チグリス星人は尻尾を出さず、被害者を装い続けたため、光三は警察に捕まってしまう。
 こういうとチグリス星人の卑劣な罠にはまった哀れな主人公みたいに見えるでしょ?
  実際そうにゃんだけど、宇宙人が人間に紛れて暗躍しているって妄想にとりつかれたトンデモさんにしか見えにゃい。
  チグリス星人役の俳優さんがいかにもする賢そうなのに殴られてる時だけ弱々しくて哀れっぽくなるのがいい。
 第7話では疑心暗鬼になった光三が武器の売買もしている叔父を宇宙人の手先と疑い、置き去りにしたり、プールに落ちても助けないなどひどい仕打ちをする。
  第1話でも焼け出された兄弟を心配して訪ねてきてくれたのに武器商人だからって罵詈雑言を浴びせていたにゃ。
  叔父さん、よく縁を切らないなぁ。
 第10話の「燃える地平線」では何故か宇宙人達は旧日本陸軍を連想させるコスチュームに身を包み、兄弟の父の研究所に絞首刑の死刑台を作っちゃう。
  何考えてんだろうにゃあ?
  こう書くと突拍子もない描写が続く変な番組だって思うかもしれないね。実際、ウチも何度か失笑しちゃったし。でも第9話の「見知らぬ町に追われて」はそんな印象を吹っ飛ばすハードな快作。
 宇宙人は春日兄弟に化け、マシンガンを手に市民の殺害をくり広げる。
  警察に春日兄弟を始末させるためだにゃ。
 九 警察と宇宙人から逃げ回っていては未来は無いと決心した春日兄弟は自らの手で宇宙人達を倒し、潔白を証明する。ニセ春日兄弟は合体し、宇宙人の本性を現す。
 ウチはニセ春日兄弟を倒した時点で物語は終ったんだから、シルバー仮面と宇宙人のバトルは蛇足か、子供向けのサービスかと思っていたら思わぬ結末が待っていた。
 本物の春日兄弟を追っていた警部は宇宙人を目撃し、自分もそれが真実だと認めておきながら、大衆は信じないだろうと言って事件を同じ人間の仕業として報告する。
  倒された宇宙人、身体から火花をあげていたけど、完全に消滅したようには見えにゃかったにゃ。
  うん。完全に燃えてしまったとしてのも燃えカスを分析すれば宇宙人だと証明できたかもしれないね。でもあの警部はそんな事しないだろうね。人は信じたいものを信じる。宇宙人の存在を公表したために起こる軋轢よりも、隠蔽で得られる安寧の方を選んだんだ。
  おかげで春日一家は彼らだけで戦い続けにゃければにゃらないにゃ。
  シルバー仮面が手近にあった卒塔婆で宇宙人を攻撃するシーンばかりが話題になってるし、そのシーンじゃウチも笑っちゃったけど、主人公以外の人達、普通の人達に向けられた冷徹な視線の方も話題にすべきじゃないかな?
 確かに「シルバー仮面」にはいたらない点が多く、傑作とはいえない。でも第9話は高く評価していいと思うよ。
  ふり返ってみると没後10年の実相時昭雄をしのぶ夜というよりは特撮の闇をのぞく夜みたいだにゃあ。




テーマ : 特撮ヒーロー
ジャンル : テレビ・ラジオ

tag : 実相時昭雄 セブン 成田亨 円谷プロ 第12話 封印 怪奇大作戦 シルバー仮面

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